「30平米築50年」オンボロ物件で知った幸せの本質 暮らし方は生き方、しがらみからも自由になれる

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某テレビドラマのように、タワマン内でヒエラルキーがあるなら、壁にヒビが入った廃墟のようなマンションに住む私たちは、蔑まれていたでしょう。私も、一度は手放した「しがらみ」や「虚栄心」をふたたび手にしていた可能性もあります。

しかし、幸いなことに、そういった諍いはわが家の住むエリアにはなく、職業や年収で人を推し量るような人はいませんでした。

不定期に催されるホームパーティーには参加したいときだけするし、レストランや料亭で催される食事会は予算オーバーなので断る。見栄を張ることなく、付き合える範囲でお付き合いしています。

ヘンにこちらの懐事情をおもんぱかることもなく、深追いすることもなく、フラットに付き合ってくれるのは、東京的なのではないかなと思います。そして、その距離感が絶妙で、居心地は上々です。

さらにひとまわり小さい部屋に引っ越し、6年目

2年で大阪に戻るはずでしたが、そのまま東京に居座り続けています。夫は東京の会社に転職し、そのタイミングで同じマンション内でさらにひとまわり小さい部屋(こちらが現在も住む部屋になります)に引っ越しをして、小さな暮らしは6年目を迎えます。

わが家は狭く決して裕福ではありませんが、自分たちの暮らしを気に入っているし、好きなものに囲まれた小さな暮らしを誇らしく思っているので、周囲と比べることもなく、卑屈になることもなく、毎日のように「今日が人生で一番楽しかった」と思える日々を過ごしています。

2020年からは、日本聴導犬協会の預かりボランティアを始めました。初めてお預かりした、ビーグルの元聴導犬かるちゃんは、我が家の猫とも仲良しです(筆者撮影)

もちろん結婚するまでの暮らしが、あまり恵まれた環境ではなかったというのもあるとは思いますが、そういった人生だったからこそ、「小さく暮らすことの尊さ」を知ることができたのも間違いありません。

【画像】「30平米・築50年」でも、センス次第で素敵になる…中年夫婦の部屋を見る(12枚)

「広い家でぜいたくな暮らしをするのが幸せ」という人を否定するつもりはありません。でも、「狭い家での、身の丈にあった暮らしのなかの幸せ」もあるなぁと思う今日この頃なのです。

【編集部より】
本連載は隔週更新(予定)です。下記のボタンから著者フォローすると、更新時にメールが届きます。
大木奈 ハル子 ブロガー・ライター

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おおきな はるこ / Haruko Ookina

40代のサブカル好き主婦ブロガー・ライター。東京都港区の、狭くて古い(30平米築50年)ボロマンション在住のミニマリストで、夫と猫と同居中。趣味はチェーン店の朝メニュー食べ歩き、特技は節約とDIY。日本聴導犬協会の、子犬預かりボランティア活動中。著書に『台所図鑑』(大和書房)がある。テレビ出演は『THE TIME,』(TBS系)など。『東洋経済オンラインアワード2023 クリエイティブ賞』受賞。アメブロ公式ブロガー。
アメブロ:https://ameblo.jp/1room2live/
朝メニューブログ:https://865.games/
X(旧ツイッター):@tei_nai

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