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「SNS投稿の見逃し不安」が招く"不眠"の恐ろしさ いいね!やこまめな返信への焦りが引き金にも

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  • 奥村 歩 日本認知症学会専門医・指導医 おくむらメモリークリニック理事長
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夜遅くまでスマホの画面を見続けている人や、スマホをベッドに持ち込んで、眠る体勢になってからもスマホを見続けてしまう人は、睡眠障害を起こすリスクがとても高いと言われています。

それは、スマホの画面が発する「ブルーライト」という青く強い光の影響のためです。睡眠前にブルーライトを見ていると、眠りの途中で目が覚めたり、深い眠りが得られなくなります。

その結果、昼間でも元気がなくぼんやりしてしまったり、眠気を感じて欠伸が出たりなどといった状態に……。これらは、眠る直前のスマホの光で体内時計の睡眠と覚醒のリズムが乱れてしまったために起こる現象です。

FOMO(見逃し不安)がスマホ依存を助長する

「自分の知らないところで、何か楽しいことが起こっているかも」

「自分だけがチャンスや情報を取り逃しているかも」

スマホから多くの情報が入り込んでくるようになると、他人の行動や世間の動向が過度に気になるようになり、「より一層スマホチェックをしていないと不安になってしまう」という人が増えています。

これは「FOMO(フォーモ)」と呼ばれる症状。「FOMO」とは「Fear of Missing Out」の略語で、「見逃したり取り残されたりすることへの不安」を表す言葉です。「自分だけが知らない」ということに強い不安を覚える不安神経症の一種で、症状が深刻化するとうつ病になることもあります。

FOMOになると、常にSNSが気になってスマホから目が離せなくなります。そして、その状態が長期的に続くとスマホ依存を引き起こし、脳過労が加速するという悪循環が生まれるのです。

SNSで人とつながることは、気軽で便利なコミュニケーションを可能にしましたが、その一方で、人と自分の生活を比べることで劣等感や疎外感を生みやすくしてしまいました。

特に私たち日本人には、こうした心理に陥りやすい国民性があります。「人の顔色を気にしすぎる」「心配性」といった日本人の性格が、デジタル社会では、嫌われることに対する恐怖心、「いいね」や返信をこまめにつけなければという焦りを呼び、ますますスマホから離れられなくなって、スマホ依存が進行します。

そして、もう1つ問題なのは、FOMOからくるスマホ依存と不安の増大から、不眠になってしまうことです。

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