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「SNS投稿の見逃し不安」が招く"不眠"の恐ろしさ いいね!やこまめな返信への焦りが引き金にも

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  • 奥村 歩 日本認知症学会専門医・指導医 おくむらメモリークリニック理事長
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ちなみに、「スマホ認知症」は正式な病名ではありませんし、アルツハイマー病などと同列の認知症でもありません。人やものの名前が出てこないなどの症状は認知症と似ていますが、病状を改善できるという点が、認知症とは異なります。

とはいえ、このスマホ認知症を放置すると危険です。もの忘れや脳過労は、「脳のパフォーマンスが落ちていますよ」という脳からの注意喚起なのです。

そしてもう一点、スマホの不適切な使い方による健康被害で見過ごせないのは、脳を護るはずの睡眠の質がスマホ依存によって変わってしまうこと。睡眠不足が日常化して「睡眠負債」を引き起こしてしまうことです。

スマホ依存でなぜ脳がゴミ屋敷化するのか?

スマホ依存の生活が私たちの脳をとても疲れさせている一番の原因は、スマホから入ってくる過剰な情報を脳が処理しきれていないにもかかわらず、さらに新しい情報を次々と送り込んでしまうことです。

毎日、何時間もネットサーフィンをしていたり、YouTubeやSNS、ネットショッピングを深夜までしているようなら、脳は情報の整理整頓ができないまま、次々と送り込まれる過剰な情報のインプットで「ゴミ屋敷」になっていきます。

これがスマホによる脳過労。インプットばかりが極端に多くなって自分からのアウトプットが少なくなった状態は、まさに脳の中にゴミを溜め込んでいるかのようです。そのために、肝心なときに必要な情報をタイミングよく取り出せないことが多くなり、もの忘れやうっかりミス、処理能力の低下、コミュニケーション力の低下となって現れます。

スマホ依存になると、大量の情報をインプットし続けるために、「イン」と「アウト」のバランスが崩れて脳の機能が低下します。

脳の本来の情報処理パターンは、インプットされた情報を、一度、脳が整理整頓した上で、必要なものをアウトプットしていくという循環になっています。しかし、スマホ依存になると、インプット過多になって脳が疲れてしまい、情報処理が追いつきません。

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