森トラスト社長「五輪後に経済の"崖"が来る」

不動産業界の重鎮が見通す、5年後の日本

森章(もり・あきら)●1936年生まれ。安田信託銀行(現・みずほ信託銀行)勤務を経て、1972年に森ビル入社。1993年から森ビル開発(現・森トラスト)社長
「東京オリンピックの後は、日本経済がひっくり返るぐらいの異変が起きるのではないか」――。
不動産大型売買の取引額が「ミニバブル」と言われた2007年の水準に近づくなど、足元は活況を呈する不動産市場。ただ、「この好況期はいつまで続かない」と警鐘を鳴らすのが、不動産大手・森トラストの森章社長だ。
独自の戦略眼を持つことで知られる森トラストは、昨年8月に推定1300億円で取得した「目黒雅叙園」を、わずか5カ月後の今年1月に、中国系政府ファンドに1430億円で売却し、短期間で首尾良く利ザヤを稼いだ。当初は「あまりにも高値で買った」(アナリスト)と批判していた業界関係者を黙らせた。
独自路線をひた走る不動産デベロッパーの経営トップは、不動産市場の“今”と“これから”をどう見ているのか。

不動産価格は当面上がる

――不動産市場はオフィスビルの賃料が改善基調にあり、マンション価格も上昇しています。この好調はいつまで続くのでしょうか。

足元は非常にいい状況だ。都市開発の場合、オフィスビルもマンションも旧耐震基準の問題で建て替えなければいけない物件があるので、そういう側面からも底堅い実需がある。また、低金利や円安基調、それと相続税対策などを背景に、買い手の投資意欲も強い。不動産価格は当面上がっていくだろう。

オフィスビルなどの賃貸不動産については、賃料がやや改善している一方、物件価格も上昇しているので、キャップレート(還元利回り)が低くなっている。REIT(不動産投資信託)は簡単には買えない局面かもしれない。その反面、私募ファンドは買い意欲が旺盛だ。また、外国人投資家は円安基調ということもあり、日本の不動産に投資しやすい状況にある。

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