森トラスト、雅叙園を5カ月で転売した舞台裏

"2014年の目玉物件"を電光石火の売却

オフィスやホテルで構成される「目黒雅叙園」は、海外ファンドの注目が高い(撮影:梅谷 秀司)

「本当に売却したのか」──。不動産デベロッパー大手の森トラストが2月9日に発表したリリースに、業界関係者は目がくぎ付けになった。

そこには、オフィスやホテルで構成される「目黒雅叙園」の土地と五つの建物を1月30日付で売却した、と書かれてあった。譲渡先は、米投資ファンドのラサール・インベストメント・マネージメントが組成した、特別目的会社(SPC)である。

中国ファンドが見せた執念

2014年の目玉投資案件として注目を集めた

雅叙園といえば、2014年の目玉投資案件として、業界関係者の耳目を集めた物件。森トラストは推定1300億円もの巨額資金を投じて、同年8月に米投資ファンドのローンスターから取得したばかりだった。

「あまりにも高値。採算が合わない」(外資系証券アナリスト)と指摘する関係者が当初は少なくなかった。が、森トラストはそれから5カ月後に売却。譲渡価格は1430億円とみられ、「首尾よく利ザヤを稼いだ」(国内ファンド幹部)格好だ。巨額投資を疑問視した業界関係者を黙らせる結果となった。

短期間での売買が成立した背景には、中国の政府系ファンドの存在がある。雅叙園の新しいオーナーとして大きく名前が出たのはラサールだが、雅叙園を取得したSPCに対する同社の出資比率は2.5%にすぎない。残り97.5%は中国政府系のチャイナ・インベストメント・コーポレーション(CIC)が出資している。

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