物流やヘルスケアに殺到、REIT沸騰どこまで

アベノミクスの恩恵株はだけではない

オフィス市況は改善傾向だが、期待先行のREITは割高感も指摘されている(写真:尾形文繁)

7年ぶりに東証REIT指数が1800ポイント台を回復し、J-REIT(不動産投資信託)市場がにわかに活気づいている。

きっかけは10月末、日本銀行によるサプライズ緩和だ。買い入れ額3倍の発表を受け、指数はその後1カ月足らずで、1割近く上がった。全銘柄の分配金利回り平均は、足元で3.1%程度だ。安全商品とされる、長期国債(10年物)の金利との差であるリスクプレミアムは、2.7%まで縮まった。

 アジア系投資家が台頭

投資家が将来的な不動産価格の上昇や賃料の上昇に強気なとき、REITは買われ、利回りとリスクプレミアムは低下する。2007年夏のミニバブル時、REITの分配金利回りは2%台半ばで、リスクプレミアムは1%を切るまで縮小していた。が、リーマンショック後は売り込まれ、08年10月に平均利回りは9%台まで上昇し、リスクプレミアムも8%台まで拡大。REIT指数も1000ポイントを割った。

REIT市場が本格的な回復軌道に入ったのは、アベノミクス相場が始まった12年末ごろからだ。13年は個人投資家の需要を背景とした投資信託の買いが牽引。投信の買越額は4240億円と、12年の494億円から急増した。

しかし、14年の春以降、投信の買いは息切れする。入れ替わるように、買い越し基調に転じたのが、アジア系の外国人投資家だ。中国は不動産市場に不透明感が増しており、日本の不動産に投資する傾向が強まっている。

銀行も安定的にREITを買っている。めぼしい融資先がないところに、13年4月、そして今年10月の金融緩和で日銀が実質的にほとんどの新発国債を買い上げることになり、国債市場からも追い出された。国債よりはリスクが高いが、株式に比べるとリスクが限定的な“ミドルリスク”のREITは、銀行にとって数少ない投資先だ。

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