洋上風力疑獄、渦中の「再エネ議連会長」を直撃 柴山議員「私も河野さんも秋本事件は寝耳に水」

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――秋本議員は以前から、自らを再エネ議連の事務局長として「再エネ政策を差配できる立場にある」と洋上風力の関係者に対して喧伝していました。政治と企業との距離についてはどう考えますか。

政治的な圧力を何と捉えるのかということだ。自民党の部会や議員連盟は、さまざまな要望を政府に反映させるためのものだ。だから、圧力と表現するかどうかはともかく、要望を政府にのんでもらうために動くことは、正当なプロセスだと思っている。

われわれは国民の代表であり、さまざまなステークホルダーからの要望について政府に伝える役割を担っている。ただ、気をつけなければならないのは、われわれは一部(の企業や団体)だけの代表ではないということだ。

つまり全体利益の実現を目指さなければならない。再エネ導入によって、あまりにも国民負担が跳ね上がってしまうなら、国民負担を極力増やさないような取り組みが重要になる。最近は太陽光、風力発電設備の設置によって周辺環境に与える影響についてもいろいろな声をいただいている。

経産省が当時は教えてくれなかった

――2021年12月、国による洋上風力発電の公募入札(第1ラウンド)において三菱商事陣営の「総取り」が決まりました。秋本議員はその後、2022年2月の国会質問で「2回目の公募(第2ラウンド)から評価の仕方を見直していただきたい」などと萩生田光一経産相(当時)に繰り返し質問し、入札ルールの変更を迫りました。当時、再エネ議連としてはどう受け止めたのですか。

当時、一部報道では赤字覚悟の応札を三菱商事が行ったのではないかといった話や、発電プロジェクトの運転開始時期を遅く設定しているから(安い売電価格になったの)ではないかといろいろな疑惑があった。

第1ラウンドでは(三菱商事陣営が入札で提示した)価格が圧倒的な結果につながった。だから価格以外の配点について、どういう基準でどこがどういう点数を取ったのか教えてくれと経済産業省に言ったが、当時は教えてくれなかった。

そこで価格以外の点数について評価項目や基準をどうするか、第2ラウンド以降は考えるべきではないかと考えた。

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