洋上風力疑獄、渦中の「再エネ議連会長」を直撃 柴山議員「私も河野さんも秋本事件は寝耳に水」

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――2023年2月に国産再エネ議連(国産再エネに関する次世代型技術の社会実装加速化議員連盟:発起人に岸田文雄首相、麻生太郎副総裁など)が設立されました。柴山さんが会長を務める再エネ議連との違いは何なのでしょう。

「国産」という性格を明確にしたいという動きもあったかもしれないし、河野さんたちがやっている再エネ議連とは違う流れをつくりたいという思いも自民党幹部や経産省の中にはあったかもしれない。

私は国産再エネ議連の副会長にも入っているので(再エネ議連と)相反するものではない。ただ、この国産再エネ議連で提言しているのはペロブスカイト型太陽電池や洋上風力発電を推進しようという、「そりゃそうですよね」という話ばかり。

旧来の電力システムが再エネの普及拡大のボトルネックになってきた。そこに反省の光を当てて打開するためにどうするべきかを提言してきた唯一の議連が再エネ議連だ。

再エネの発電コストの高さと供給の不安定性をどう克服するかを一生懸命考えてきたし、改革しなければいけないと旧電力システム側とはバチバチと戦ってきた。国産再エネ議連が出している提言はその辺りには触れてない。

利権のためにやっているつもりはない

「日本の再エネ政策が後ずさりすることだけは絶対に避けなければならない」と語る柴山氏(撮影:梅谷秀司)

――日本の再エネ政策への秋本事件の影響をどう見ていますか。

今回の件によって脱炭素社会に向けた日本の再エネ政策が後ずさりすることだけは絶対に避けなければならない。

こんなことをいうのも何だが、自民党では旧大手電力会社側の応援を受けていた方々が圧倒的に多い。再エネをやっているのは「変わり者」という位置づけだったのではないかと思う。いわば、われわれは異端児だが、利権のためにやっているつもりはない。

再エネがものすごい勢いで普及拡大しなければ、2030年のGHG(温室効果ガス)排出量の半減、2050年のゼロエミッション目標の達成は無理だ。われわれ再エネ議連は非常に大きな使命を持っている。今後の再エネ議連の活動については仲間と相談しながら適切な運営を検討したい。

大塚 隆史 東洋経済 記者

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おおつか たかふみ / Takafumi Otsuka

広島出身。エネルギー系業界紙で九州の食と酒を堪能後、2018年1月に東洋経済新報社入社。石油企業や商社、外食業界などを担当。現在は会社四季報オンライン編集部に所属。エネルギー、「ビジネスと人権」の取材は継続して行っている。好きなお酒は田中六五、鍋島。

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