「塾を変える?」子どもに合うか見極めるポイント 成績が伸びなくても転塾以外の選択肢はある

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コロナ禍を経て、個別指導、家庭教師を含めた指導形態も大きく多様化しています。私立中学・高校の先生たちからは「オンラインのほうが伸びる子と、リアルのほうが伸びる子の2つに分かれる」という声も複数聞きました。在宅勤務が定着していることを考えると、対面式の集団塾通いは本当に必須なのか、見直していい時期がきているのかもしれません。

大手塾には、長年培ってきた膨大な経験値やデータなどのスケールメリットがあり、安心感があるのも事実です。しかし、「○○でなければ、中学受験の対応は絶対無理」という時代は変わりつつあるとも感じています。

塾というベルトコンベアーに乗る前に、改めて子どもと向き合う時間を取りましょう。個人的には、志望校が1人ひとり違うのだから、塾も勉強法も違ってよいと思っています。山登りでいえば、山頂への登り方は何通りもあってよいのです。

また、SNSなどの評判に惑わされないことも大事です。毎年入試が終わってから行われる塾の入試分析会に出席して「◯○塾の合格率と分析力はすごそうだから、ここに決めよう」という人もいますが、それは出そうな問題がもれなくテキストに含まれているからです(必ずしも全員がその問題を扱ったというわけではありません)。

ここからは私個人の意見ですが、講習、特訓を「絶対に受けないとダメだ」という塾の営業が強すぎることには違和感を覚えます。最近は、「抱え込みすぎる=拘束時間が長すぎる」塾が増えてきているようにも感じます。

学校の個性や多様性に魅力を感じて中学受験を選択する家族が多いにもかかわらず、結局は「管理型」になっていることに矛盾を感じます。オプション講座などは「みんなが申し込んでいるから申し込もう」となりがちなのもわかりますが、あくまでも主役は子ども、主導権は家庭であるべきです。その前提で、塾や講師と本音でつきあっていくことが大切だと思います。

塾を変えるか迷ったときは

「入塾したけれど、思ったより成績が伸びない」というケースが出てきます。逆に、成績が伸びてきたので、難関中に強い塾に転塾しようかと迷うケースもあります。転塾の時期としては、6年生に上がるタイミング(中学受験塾では、2月)が多いようです。

ただし、それぞれの塾に決まったカリキュラムがあるので、勉強していない単元や、重複して勉強する単元がどうしても出てきます。また、塾の先生やクラスの他の生徒と打ちとけるまでには、時間と労力がかかることを忘れてはなりません。

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