「塾を変える?」子どもに合うか見極めるポイント 成績が伸びなくても転塾以外の選択肢はある

拡大
縮小

2つめは、低学年からの塾通いに慣れ、目先の成績にこだわるあまり、点数につながることしかやらなくなる可能性があることです。

子どもから「まだ習ってない」「先生が教えてくれない」などの言葉が出てきたら要注意です。「わからないから自分で調べてみよう」「できるところまではやってみよう」という姿勢は、生涯学び続けるためにも大事です。

3つめは、「言われたことだけやればいい」「理科・社会は暗記すればいい」という誤った勉強のやり方が定着しないようにすることです。これは、勉強の難度が上がる5年生の秋くらいから弊害となって表れてきます。

直前の模試の対策ばかりに目が行き、「調べることが好き」「興味を持ったことにはとことんこだわる」といった子どもの好奇心をなくしてしまわないようにしなくてはなりません。

最後は、低学年のうちから塾に入って成績がよかった場合に、「自分は他の子より優れている」という間違った優越感を持つことです。

早熟な子などは、低学年の時期に努力しないでも点数が取れることがありますが、学年が上がって成績が落ちたころに「今はまだ本気じゃないだけで、やればすぐに追いつく」という言い訳をはじめたら危険信号です。

受験後に「私はやればできるのに、やらなかっただけなんだよね〜」という解釈をしてしまうと、高校入試でも大学入試でも同じ失敗をする可能性があります。

厳しいことも書きましたが、子どもがまだ乗り気でない場合や、どんな学校に進学させたいのかというイメージが固まっていない場合は、中学受験をすることの目的や意義を家族で共有していくことを最優先に考えていきましょう。

塾選びは「学校選び」と同じように考える

中学受験塾は、その成り立ちから数十年が経ち、今は成熟期となっています。生き残っている塾はどこもすばらしく、それぞれ独自の特長とカリキュラム、ターゲット層を武器にしていると思います。

しかし、「どんな子でも通うだけで成績が上がる」という魔法のような塾はありません。「万人に受け入れられる塾もなければ、万人に悪い塾もない」ということです。だとすれば、「わが子に合っている塾を探そう」という塾研究が必要です。

塾選びは「学校選び」と同じ考え方をするのが正解です。

通塾時間が短い・近い塾もいいですが、距離が遠くても通わせる価値がある塾も存在します。友だちが多い塾もいいでしょうし、1人で通う塾にもメリットがあるでしょう。授業時間の長い・短いも、それぞれ一長一短です。

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT