「塾を変える?」子どもに合うか見極めるポイント 成績が伸びなくても転塾以外の選択肢はある

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選択肢の1つとして、塾そのものを変えてしまうのではなく、個別指導や家庭教師などと併用していくという方法もあわせて考えていきましょう。先生との人間関係や、今まで慣れてきた宿題のやり方などが急に変わるのも、大きな負担となります。

後悔しない転塾をするためには、まず、通っている塾の先生に、継続して通い続けることのメリットとデメリットについて、本音で相談することです。半年以上、その塾に通っているのであれば、相性などがよい部分がきっとあるはずです。そのうえで、転塾候補となる塾の先生としっかり意見交換や情報交換をして、可能であれば体験授業や授業参観をさせてもらうようにしましょう。

転塾は、急な成績の低下や入試までの時間が迫ってくるという焦りから、保護者が「このままで大丈夫だろうか?」という不安に駆られ冷静さを失ってしまうケースも少なくありません。最終的には、保護者主導で決めてしまうのではなく、必ず子どもの気持ちを確認して、話を進めるのが一番大事だと思います。

上手な塾との付き合い方

塾選びをしているとき、すべての塾で体験授業を受けることは不可能です。

また、体験授業のときの先生と、実際に習う先生が違うこともありますし、大手塾では慣れ親しんだ先生が別の教室に異動することだって珍しくありません。

ですから、「どの塾がいいか」という視点ももちろん必要ですが、「塾の先生とコミュニケーションを上手にとり、通っている塾の潜在能力を十分に活用する」という視点のほうが大切になってきます。

保護者の手をわずらわせずに勉強し続けられるような成熟度の高い小学生は、ほんの一握りです。だからこそ、塾、または、経験値の高い家庭教師や個別指導の先生は、適切なアドバイザーかつペースメーカーとして役割を果たしてくれます。相談料は、授業料に含まれていると考えましょう。

具体例をご紹介します。

中学受験あるあるの1つに、「塾通いをはじめると、算数の宿題が終わらなくて困る」というものがあります。「宿題が多いから塾は嫌い」「宿題が終わっていないから塾に行きたくない」「その科目は苦手だからやりたくない」という悪循環では、長期間の受験勉強を乗り切ることはできません。

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