仲間同士で「けなし合う」若者たちの心理 いじめでも悪口でもない?

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まずは、けなし愛の働き・機能に着目してみる。インタビューからは、けなし愛には主に3つの働き、機能があることを指摘することができるのではないかと思う。具体的には、「友達とのコミュニケーションを楽しむためのけなし愛」、「会話を盛り上げる糸口としてのけなし愛」、「仲良しアピールするためのけなしい愛」の3つである。

「貶し愛をすること自体を楽しむ」というのは、そもそも今の若者はけなし、けなされる会話のやり取りそのものを楽しんでいるということである。それは、けなす側だけなく、けなされる側についてもあてはまる。

ここまでの事例を見て、けなし愛が「いじめ」などにつながるのではないか、と心配される方もいるかもしれない。しかし、事例2や事例3にもあったように、けなされる側も、自分がけなされることで会話の中心になれることから、自らそう仕向けて会話を楽しんでいる。また、けなし愛をすることによりお互いに笑い合える話題が生まれる。コミュニケーションを、メッセージをやりとりする道具としてではなく、それ自体をコンサマトリー (自己目的、自己完結的)に楽しんでいるのである。

2番目の「会話を盛り上げる糸口としてのけなし愛」というのは、それ自体がネタになっているので、話題がなくても会話が続き、場を盛り上げられるという働きである。相手を素直に褒めると会話が止まることから、けなし愛をするという意見もあった。これは、それ自体を楽しむという上記の働き・機能と比較すると、会話を盛り上げるための手段として道具的に使用しているということになる。

さらに、「仲がいいアピール」をするために使用される場合もある。インタビューでは、けなし愛をできるくらいが親密ないい関係だと思うという意見が多く、さらにお互いを素直に褒めるのが「恥ずかしい」「上辺っぽい」と感じている若者が多いことが分かった。

仲が良い友達に「上辺の付き合いだと思われたくない」ために、あえて相手をけなす。さらに言えば、普段けなし愛をするからこそ、たまに素直に褒めた時などの言葉の信憑性が増すのだ。また、他の人たちに「私たちはこんなに仲がいいんだよ」「こんなことも言い合える仲なんだよ」ということをアピールしたいという気持ちも、若者たちがけなし愛をする要因になっていると考えられる。

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