会話が弾むと、自然と笑顔になるものです。笑うときにはたくさん息を吸うため、呼吸がよくなります。腹筋や胸筋も刺激されます。また、笑いは体の余分な緊張をとることにもつながり、ストレス解消になります。
笑顔でいると「場」の空気がよくなって、より楽しい雰囲気でおしゃべりでき、脳が喜びます。楽しい会話は、認知症予防にとっていいこと尽くめなのです。
また、人との会話そのものがストレス解消にもなっています。心にある悩みや不安を人に打ち明けることでストレスをため込まず、考えていたことが整理され、うつ病の予防につながると考えられます。
家族との会話から始めよう
認知症予防のためには、会話を習慣化することが大切です。そして、それができるいちばん身近な存在、それが家族なのです。
新型コロナ感染予防や何らかの理由で外出ができない人でも、家族との会話であれば可能であるという場合は多いと思います。慣れない人と話すことも認知症予防として効果的ですが、まずは、家族間でコミュニケーションをとることも大切です。日ごろから、家族とのコミュニケーションを怠らず、家族は本人の気持ちを理解し、気持ちに寄り添うことを心がけましょう。
会話を習慣化させるには、会話を楽しいと感じてもらうことが重要です。そのためには、まずは会話の相手である家族がイライラしたりうんざりしたりしないようにしましょう。
会話中に「自分に向けられた嫌悪感」を感じとったら、その相手との会話は楽しいものではなくなってしまいますよね。認知症を発症していたとしてもそれは同じで、嫌悪感に気づいたとき、会話が楽しくなくなり、人とのかかわりを避けるようになってしまいます。
認知症が進むと会話が2倍以上の速度で聞こえるようになるといわれているので、句点(。)や読点(、)を意識して、短く簡単な言葉で話しかけるようにすると、「話が通じない」と感じる場面も少なくなるかもしれません。
また、直接会話ができない場合は、電話やインターネットを活用するとよいでしょう。特にインターネットは、リアルタイムで相手の顔を見て話すことができます。対面に近い形で会話することができるということです。
しかし、インターネットはむずかしいと感じている高齢者がいるのも事実です。その場合、手紙を書くのもおすすめです。
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