手紙を書く際は、相手への気遣い、伝えたい内容をまとめるなど、高度に頭を使います。脳に刺激を与える行為は、認知症予防に効果的といえます。まだ携帯電話がない時代は「手紙を書く」という行為は当たり前のことだったはずです。高齢者にとっては馴染み深く、かつての文通の経験を活かせるいい機会になるかもしれません。
役割を与えることが認知症予防になる
加齢とともに運動機能や認知機能などの心身の活力が低下し、健康障害を起こしやすくなった状態を「フレイル(虚弱)」といいます。
人は、身体的・心理的・社会的の3つのフレイルが相互に作用して弱っていくもので、認知症もその例に漏れません。
例えば、腰を悪くし、外出できなくなる。結果、社会との接点が減る。さらに、外出できなくなったと自己嫌悪に陥り、余計に動かなくなり、認知機能や筋力が低下する。このような悪循環で認知症が進んでいくということです。
身体的なフレイルは、医療やリハビリテーションで予防ができ、心理的・社会的フレイルは、家族の協力で予防できます。家族ができる予防策のひとつが、役割を与えることです。
日常のなかには、さまざまな役割があります。
例えば、孫の世話をする、洗濯をする、家族の相談相手になるなども、一種の役割です。
高齢者が今まで自分でしていた料理を、足腰が弱くなってきたからと家族が代わりにしてあげる。これはよくあることですが、その結果、脳を使う機会が減り、認知機能が低下していく可能性もあります。
できないと決めつけてしまうことは、認知症の進行を促す可能性があります。役割を与え「生きがい」をもたせることは、認知症のリスクを下げることにつながるのです。
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