医師が伝授「認知症の進行予防」家族にできること あわてず、上手につき合っていくための心構え

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思い出の土地に連れて行くということは、昔の記憶を思い出しやすい環境を整えることになります。そうすると、本人が、昔の思い出話をしてくれるかもしれません。話をすることは、脳を活性化させるので、認知症進行の予防になります。

また、過去の自分を思い出すことで、自分の存在意義の再認識ができます。そうすると、認知症になったことで失った本人の自信の回復にもつながり、うつ症状の改善・予防にもなります。

国立長寿医療研究センターの研究によると、回想法を行っている高齢者は、脳の血流が増えることがわかりました。また、回想法を続けていくと、認知症の認知機能の障害である中核症状が改善したという研究もあります。

認知症進行の予防のためにも、本人の記憶に寄り添うことは大切なことなのです。

外出する機会をつくろう

高齢になると、外出する目的を失うことや、体力の低下などが原因で、家に閉じこもる可能性が高くなります。外出をしないでいると、社会とのつながりがなくなり、脳への刺激が減ります。その結果、認知機能が低下し、認知症のリスクが高まってしまいます。

人は、いったん家に閉じこもりがちになると、外出のハードルが高くなり、外出する意欲がそがれた状態に陥りやすいです。また、昨今は新型コロナウイルスの影響で、より一層外出を控え、人とのつき合いが減った人もいます。

そのため、家族やまわりの人は、感染予防に努めながらも、より一層意識して、高齢の家族が地域住民や友人などとかかわる機会をつくり、高齢の家族の社会的孤立を防ぐようにしたいものです。

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