発達障害の子どもに絶対してはいけない「伝え方」 子ども自己肯定感は親の伝え方で変わる

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――生活習慣が大きく影響しているとは知りませんでした。

加藤:遺伝的素因だけではなく、現代の社会環境によって発達障害が多く生み出されている面があるのです。

運動も大切です。運動不足は発達障害に大きなマイナスになります。どんな人も運動しなくなると脳の発達は弱くなるんです。小学校では運動の時間をかなり取っていますよね。脳にとっても大事なことなんです。発達障害の子は、朝起きることができなかったり、学校に適応するのが難しく感じることもありますが、それで家にひきこもってしまうと、症状は悪化します。

運動能力を高めることでリスクを減らすことができる

――運動が苦手でも、身体を動かせばよいのでしょうか。

加藤:運動が苦手な場合、発達性協調運動障害(DCD)があるかもしれません。手足の動きと目の動きがスムーズに連動できないので、球技やなわとびが苦手になりやすいんです。

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DCDは、発達障害と併発しやすいです。これが大人になるまで持ち越されると、社会的不適応を起こしやすいと考えられています。いわゆる「大人の発達障害」として困りごとが大きくなります。ですから、できるだけ運動能力を高めて、リスクを減らしておきたいところです。

運動が苦手だと思っても、トレーニングして伸びない能力はありません。それに、すべての運動が苦手なわけではなく、得意なものもあるでしょう。ピアノをはじめ、楽器も手足を使う立派な運動ですし、歌を歌うことも口と呼吸筋の運動です。

ぜひ親子で実践してほしいのは「お散歩」です。歩く距離が長いほど、運動系だけでなく思考系脳番地が育ち、脳に根気、やる気が生まれます。

子どもは1歳くらいから二足歩行することで、各脳番地を成長させるしくみになっています。親子で1キロ、2キロと歩いてみてください。

(取材・構成 小川晶子)

加藤 俊徳 医学博士/「脳の学校」代表

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かとう としのり / Toshinori Katou

脳内科医、医学博士。加藤プラチナクリニック院長。株式会社「脳の学校」代表。昭和大学客員教授。脳科学・MRI 脳画像診断の専門家。1991年に、現在、世界700カ所以上の施設で使われる脳活動計測fNIRS(エフニルス)法を発見。1995年から2001年まで米ミネソタ大学放射線科で脳画像研究に従事。ADHD、コミュニケーション障害など発達障害と関係する「海馬回旋遅滞症」を発見。加藤式MRI 脳画像診断法を用いて、小児から超高齢者まで1万人以上を診断・治療。得意な脳番地・不得意な脳番地を診断し、脳の使い方の処方を行う。著書に、『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き』(ダイヤモンド社)、『一生頭がよくなり続けるもっとすごい脳の使い方』(サンマーク出版)、『1日1文読むだけで記憶力が上がる!おとなの音読』(きずな出版)など多数。

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