発達障害の子どもに絶対してはいけない「伝え方」 子ども自己肯定感は親の伝え方で変わる

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一方で、ファミリーバルネラビリティ、すなわち家族としての弱点や脆弱性が強いと、子どもの自己肯定感は下がり、未来に向かって生きる力をそがれていきます。

従来、ADHDに限らず発達障害の子どもは、医学的に「欠如、不足」のリスク因子で捉え、家族と医療のサポートで補おうとする考え方が中心でした。

しかし、発達障害の子には「強み」もあります。強みに目を向け、環境を整えることで弱みの克服もしていくことができるのです。この考え方は家族だけでなく、学校や社会まで広げていくことができるでしょう。

生活習慣を見直せば、劇的に改善する

――発達凸凹のある子が成長できる環境を作るには、どういうところに気をつければいいでしょうか?

加藤:良い生活習慣を作ることです。

まず、肥満を避けて健康的な食事をすることが大事です。肥満はADHDのリスクとしても症状悪化因子としても問題になっています。前頭葉のはたらきを低下させ、集中力も下がるのです。砂糖の摂取と多動の関係も指摘されています。

それから睡眠です。わたしのクリニックのADHD専門外来を訪れる人の約9割の人が、睡眠に関する次のような悩みを抱えています。

①入眠時間が0時を越えて遅い。 ②睡眠時間が7時間以下で短い。 ③入眠直前までスマホを見たり、ゲームをしたりしている。 ④入眠時間と起床時間が毎日一定しない。 ⑤早朝に覚醒が弱い。なかなか起きず、起床時に家族ともめる。 ⑥学校で給食後だけでなく、午前中も眠い。

発達障害の症状が1つでも認められる人は、①から⑥までを全力で改善することをおすすめします。

ADHDの遺伝的素因は睡眠障害を起こしやすい因子とかぶっています。放っておくとどんどん寝るのが遅くなり、朝起きるのがつらくなります。そして日中の脳の覚醒が不安定になるのです。

遺伝的素因がなくても、たとえば夜遅くまでスマホを見たりゲームをしていて、睡眠時間が短い状態を続けていると発達障害と同じ症状になります。後天的に発達凸凹が強くなるわけですね。

発達凹凸に気がつく3歳以降から学童期は、10時間以上の睡眠が必要です。単純に睡眠不足でも日中の頭のはたらきが悪くなり、幸福感ややる気も低下します。健康的な食事とともに、家族全体で取り組むべきことです。

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