「本音が言えない」と悩む人に勧めたい逆転の発想 その事を言う必要があるかどうか、を考える

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よくよく考えてみたら、あなただけがそこまで本音を我慢しなくても良い相手かも、と気づくこともありますから。

「本音を言わなきゃ」「本音を言っちゃいけない」などとルールを無理に一本化すると大変ですから、相手を見て本音を言うかどうかを考えたり、誰にどこまで本音を言うか工夫してみるのも良いかもしれませんね。

(イラスト:Poche)

すぐに自己嫌悪に陥ってしまう

何かあったときにすぐ自己嫌悪になる人は「自分が悪いからだ」「自分がもっと気をつけていれば」と考えがちです。でも自己嫌悪になるからといって、必ずしもあなたが悪いとは限りません。あなたが悪いことをしていなくても、相手に非があるとしても、自己嫌悪になることは十分にありうるのです。

次のような場面を想像してみてください。

AさんとBさんが、カフェで楽しく話をしています。

そこに、水の入ったグラスを持った店員さんがやってきました。テーブルの上にはまだお皿がたくさん残っていたので、店員さんはグラスをテーブルの端のところに2つ置いていきました。

すると突然、Aさんが大きなくしゃみをしました。驚いたBさんは、自分のひじでグラスを倒して水をこぼしてしまいました。

さて。水がこぼれたのは、誰のせいでしょうか?

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店員さんがテーブルの端にグラスを置いたせいでしょうか? Aさんが突然に大きなくしゃみをしたからでしょうか? それとも、Bさんがひじをぶつけたせいでしょうか?

……いろいろな見解はあるかもしれませんが、状況を見て冷静に判断するならば「誰か1人だけのせいではない」というのが答えです。グラスが倒れて水がこぼれたのは、いろいろな状況が複雑に絡み合っての結果だからです。

このようなケースにおいて、自己嫌悪になるとどのような思考に陥りやすいのかを、店員さん、Aさん、Bさん、それぞれの視点から見てみましょう。

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