「朝鮮出兵」で秀吉が心に抱いていた"真の狙い" なぜ実行しようとした?キリスト教との関係

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ちなみに、ポルトガルの商人などは、日本人奴隷の売買もしていた。16世紀の後半になると、日本人はポルトガルや南米にまで送られるようになる。

日本人奴隷の問題も

秀吉は日本人が大量に奴隷として売買されていることに驚き、そして怒り、人身売買を停止しようとする。秀吉がキリスト教の宣教を制限しようとした背景には、日本人奴隷の問題もあった。朝鮮出兵は、誇大妄想や、無茶な行動、と片付けられる話でもなかったのだ。

(主要参考文献一覧)
・笠谷和比古『徳川家康』(ミネルヴァ書房、2016)
・平川新『戦国日本と大航海時代』(中央公論新社、2018)
・藤井讓治『徳川家康』(吉川弘文館、2020)
・本多隆成『徳川家康の決断』(中央公論新社、2022)

濱田 浩一郎 歴史学者、作家、評論家

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はまだ こういちろう / Koichiro Hamada

1983年大阪生まれ、兵庫県相生市出身。2006年皇學館大学文学部卒業、2011年皇學館大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。専門は日本中世史。兵庫県立大学内播磨学研究所研究員、姫路日ノ本短期大学講師、姫路獨協大学講師を歴任。『播磨赤松一族』(KADOKAWA)、『あの名将たちの狂気の謎』(KADOKAWA)、『北条義時』(星海社)、『家康クライシスー天下人の危機回避術ー』(ワニブックス)など著書多数

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