触った瞬間にわかる!「iPhone 15」驚きの進化 撮って実感した「失敗写真が生まれないカメラ」

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アップルの認証なしで、さまざまな周辺機器と接続し、そのまま利用できるようになる(筆者撮影)

11年間にわたって採用してきたLightningの廃止で、手元に用意しているLightningケーブルは利用できなくなってしまう。自宅用は付属品でいいとして、クルマの中や職場、カバンに入れて持ち運ぶためのケーブルは買い替えが必要になるし、Lightning端子に直接差し込むタイプのモバイルバッテリーやマイクなども利用できなくなってしまう点は注意が必要だ。

また、駅やホテルなどで充電用に用意されている端子は、四角い形状のUSB-Aであることが多く、付属のケーブルではiPhoneを充電できない。そのため、当分はUSB-AとUSB-Cの端子を持つケーブルを用意しておくと安心かもしれない。

一方、iPhoneをこれまで、MagSafe等のワイヤレスで充電してきた人にとっては、LightningからUSB-Cへのコネクタの移行の影響はほとんどないだろう。

iPhone 15 Proでは、iPhone 15の20倍の10Gbpsでのデータ転送が可能だ。 またiPhone 15 Proでのみ、4K/60fpsのProResビデオを、外部記憶装置に直接録画する機能を利用することができる。128GBのiPhone 15 Proは、本体には最高画質のビデオを録画できないが、外部ストレージには録画可能だ。

これからも、iOS 17での進化が続く

iPhone 15シリーズは、前評判でも、変化に乏しいモデルとみられてきた。しかし実機に触れると、さすがの一言。

煮物の面取りのように、エッジを丸めることで持ちやすさ、サイズ感をより向上させ、ガラスや金属といった素材とその加工の変更によって、軽さや色などの新しい価値を作り出すことに成功している。

iPhone 15 Pro Max ブルーチタニウム。チタンへの塗装にも高度な技術が用いられており、チタンの輝きと鮮やかなブルーのマッチングが鮮烈(筆者撮影)

さらにカメラ機能も、シャッターを押すだけ、という使い勝手は変えず、スタンダードモデル、Proモデルともに、写真を撮ることの楽しさを広げる役割を、センサーだけでなく画像処理の方法の変更で作り出してきた。

実直な進化や成熟の部類での刷新ながら、これまでのiPhoneユーザーにこそ進化を、顧客体験に落とし込んで伝えている点は、巧みな製品作りを感じる。スマートフォン飽和の時代、既存顧客の満足度が、iPhoneプラットフォームに残り続けてくれるかどうかの境目となる。その点を理解した、「iPhoneユーザーのためのiPhone作り」にシフトしていることを強く感じる新製品だった。

日本時間9月19日から配信されたiOS 17との組み合わせで、夜寝るときに、iPhoneがベッドサイドの時計代わりになる「スタンバイ」や、iPhoneを近づけるだけで連絡先の交換ができるNameDrop、その交換する自分のカードを編集できるポスターなど、新しい機能が目白押しだ。

今後は機械学習処理を駆使したパーソナルな記録・日記を付けるための「ジャーナル」アプリの追加や、Proモデルでは2つのカメラを駆使した空間写真・空間ビデオの撮影に対応、2024年からアメリカで発売されるゴーグル型デバイスApple Vision Proで没入感ある写真やビデオを撮影できるようにもなる。

引き続き、プライバシーや環境など、アップルが取り組むあるべき姿の追求とともに、iPhoneのブランドと顧客を盤石なものに固める1台となるだろう。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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