新制度になっても「待機児童」は解消しない

ワーストの世田谷区にその理由を聞いた

保育所不足という「量」の問題も重大だが、保育の「質」を懸念する声もある。「保育園を考える親の会」の普光院亜紀代表は、国の意思表示により一部の自治体で解消策が進んでいることは評価しつつも、「質がよくなったとはいいがたい」と話す。

入所後も安心できない? 置き去りの「質」

たとえば、都心部では土地がないため、園庭がない認可が増えているが、「とくに2~3歳は『体の育ち』イコール『心の育ち』という時期。ストレスや運動能力の低下が心配」とのこと。園庭のない施設はたいてい散歩に出るが、地域によってはひとつの公園に複数の施設の子どもが殺到し、遊べない場合もあるという。

保育園を考える親の会の普光院亜紀代表は、保護者からの相談や施設視察などから、保育の「質」を懸念する。

また、「保育士不足だけでなく、待遇や労働条件の悪さから退職者が多かったり、急拡大中の事業者では職員の異動が激しかったり、保育士が定着して育成されていない施設もある」とのこと。さらに、最低基準面積ギリギリで作られる施設が増えていることも危惧している。「子どもが豊かな活動をするには最低基準面積では不足。園庭がなく、室内も狭い、保育士も慣れていないという三重苦では保育の質は上がらない」(普光院代表)からだ。

「質」も自治体の力にかかっている。ちなみに世田谷区は、0歳児ひとり当たりの保育面積を広くとるなど「質」にはこだわってきた。HPでは「保育の質ガイドライン」も公開。今年は初めて株式会社の認可を3園導入したが、「子どもを中心とした保育が安定的にできるか」という独自の視点で作成した200項目以上の条件に基づき審査を行ったという。

しかし、激戦区ではどこも「量」が不足しすぎており、保活ママに「質」の選択権はないに等しい。過酷な保活で誰もが少なからずイライラや不安を抱えるが、入所後も「質」を心配するようでは、いつまでたっても落ち着いて暮らすことができない。ママの不安定な心は、よい仕事を阻害する以前に、子どもや家族に悪影響ではないだろうか。一刻も早く、すべての働きたいママの心が「輝く」よう、「量」「質」両面から待機児童問題が解決することを願う。

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カーリング人気萌芽の時代から、平昌五輪での銅メダル獲得まで戦い抜いてきた著者。リーダーとして代表チームを率いつつ、人生の一部としてカーリングを楽しめるにまで至った軌跡や、ママさんカーラーとして子育てで得た学びなどを語る。