震災にも強いクラウド、日本での普及は急加速へ セールスフォース・ドットコム会長兼CEOに聞く
東日本大震災後、ツイッター、フェイスブック、グーグルなどが「災害に強いサービス」として注目を集めた。これらは、計算処理やデータ保管をデータセンターで行う「クラウドコンピューティング」の代表的サービス。一般企業にとってもBCP(事業継続計画)や節電対策などに使えるのがクラウドだ。
企業向けにCRM(顧客情報管理)を中心としたクラウドサービスを提供する代表的企業である、米国セールスフォース・ドットコムのマーク・ベニオフ会長兼CEOに、「クラウドのすすめ」を聞いた。
--セールスフォースは労働時間の1%を社会貢献へ振り向けるなど、社会貢献を経営の柱に据えています。東日本大震災後では、どのような対応を行いましたか。
震災直後、日本法人のスタッフ全員に、今回の大震災で被害に遭われた方々をフルサポートするように伝えた。また、セールスフォースが全社を挙げて日本を支援するようにも指示を出した。
被災地支援については、本業でやれることを重視した。まず、被災地の復興支援を行っている企業や政府機関に対し、セールスフォースのCRMやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などのクラウドサービスを無償で利用できるようにした。震災に関連して開発されたアプリケーションは、仙台市の避難者管理、つくば市のボランティア管理など、30以上に及んでいる。
募金も行った。募金者からの募金にわれわれが同じ額を上乗せするマッチング募金を、世界規模で行った。マッチングの上限額は5万ドルを想定していたが、最終的に70万ドル以上をNPO(民間の非営利組織)や米国赤十字などに渡すことができた。また今年11月、年1回行う幹部を集めたミーティングを日本で行うことを決めた。日本で行うのは初めてだが、これにより日本を強力に支援する意志を明確に示したい。ホテルの利用やイベントのための支出により、少しでも日本経済を活気づけられれば、と思う。
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