商標「AFURI」めぐる訴訟、両者の類似をどう判断? 指定商品を広く設定することは「一般的」
「AFURI(あふり)」という名前をめぐる法廷闘争が、ネットを賑わせている。酒造メーカー「吉川醸造」(神奈川県伊勢原市)が8月22日、公式サイトでラーメンチェーン店「AFURI」(厚木市)から商標権を侵害しているとして東京地裁に提訴されたことを明らかにしたものだ。
一方、AFURI社も8月26日、公式HPで「お願い、申し入れが聞き入れられず、やむなく最終的な判断を司法の場に求めることになりました」「ラーメン事業のみならず、他にもいくつかの事業を計画しており、その過程で必要に応じて商標登録を取得し維持を図っております」と訴訟に至った背景を発表した。
ネットでは意見が割れている。「地名を商標登録して他に使わせないって」「一企業が独占的に使用してもいい名前じゃないと思う」などと吉川醸造側の意見もあれば、「お酒を展開するプロジェクトがあるのであれば、商標取るのは当然」「権利者が権利行使するのは当然の話」とAFURI側に賛同する声もあった。
双方の主張をふまえたうえで、商標にくわしい弁護士に見解を聞いた。
AFURIの主張は?
まず、訴状によると、AFURI社は2018年5月から、商標「AFURI」をつけた日本酒をOEM生産(他社のブランドで販売する製品をメーカーが作ること)により製造し、アメリカ向けに輸出している。商品は、原告のアメリカの店舗で提供、販売している。
一方、吉川醸造は2021年4月から、「雨降 AFURI」と書かれた商品8つを製造し、全国で販売している。