スタートアップで働いて資産形成が加速する理由 知っておきたい「ストックオプション」の価値

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スタートアップで働く人やスタートアップに転職したい人は、企業価値と持株比率を掛け合わせ、どのくらい資産形成できる可能性があるかをしっかり認識しておくべきだろう。

60歳から65歳ほどで退職して、一定の生活水準で暮らしたいと考えるとする。仮に年間500万円水準の生活を続けたいとなれば、残り数十年の人生を生きるには、ざっと見ても2億円ほどの資産が必要になる。

もちろん、年金の受給もあるので一概には言えないが、退職するときに2億円を持っている人はどれほどいるだろうか。

健康寿命がより長くなり、可処分所得が変わった分、ただ守るだけでは難しい時代になった。攻めも必要になったという事実も「知らない悪」の一つだ。

人生で必要な資産を逆算してみよう

資産の話が続いてしまったが、僕が伝えたいのは「金持ちを目指せ」ということではない。あくまで「人生で必要な資産を逆算してみよう」といった現実的な提案だ。必要な資産を確保することは、より大きな挑戦ができる可能性にもつながっていくのだ。

こうしたお金の話をすると、怪訝な顔をする人がいるかもしれない。ただ、僕としては、自分の人生を豊かにしながら生き続けていくためにも、「やりがい」と「経済合理性」のバランスと「金銭報酬」と「株式報酬」のバランスを常に意識しながら、ベストな職場を選ぶべきだと思う。

株式報酬を交えると、資産形成のスピードも段違いになる。通常であれば60歳まで勤めて築ける金額を、わずか数年で、キャピタルゲインによって得られる可能性もある。

先ほど例に挙げたANYCOLORの設立は2017年5月であり、株式上場は2022年。わずか5年で多くの億万長者を輩出したことになる。

しかも、ストックオプションはみずからの努力によって、成功確率も資産価値も向上できるものである。アンコントローラブルなものではなく、コントローラブルなものだと捉えられる。

企業価値を向上させようとすれば、仕事や自己成長に対する向き合い方も変わってくるだろう。

給与報酬をアップさせようと自分一人だけの目標達成に日々励むのではなく、株式を持っている全員で、会社の成長にコミットすると、給与以外に資産も向上していく。「視座・視野・視点」も高める必要が出てきて、自己成長も促される。

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