何もアメリカの巨大企業だからという話ではない。
日本のエンターテインメント系スタートアップであるANYCOLORが、株式上場を果たした際に、従業員の多くに自社株式やストックオプションを付与していることが話題になった。
同社が公表した「大株主リスト」には30人以上の従業員が記載され、最も少ない人でも1億3500万円の価値がある株式を持っていた。つまり、上場によって30人の億万長者が誕生したわけである。
さらに、株主リストには従業員を含む117人が名を連ねており、数千万円から数億円を得ることになったとも報じられている。
このように株式報酬は、給与報酬とは桁外れの資産を築ける可能性がある。
多くの億万長者が誕生している
アメリカほどの規模でないにしても、日本でもストックオプションなどで資産を得るのは夢物語ではなくなった。なぜなら、日本はアメリカに比べて株式上場がしやすい環境にあるといわれるからだ。
2021年の上場社数は136社、2022年は112社であり、2015年以降は毎年約100社近くが上場を果たしてきた。
日本では全発行株式の10%前後を社員にストックオプションとして付与され、最近では15〜20%という高い比率にて付与されている事例も多い。事実として、毎年多くの億万長者が誕生しているのだ。
ちなみに、ストックオプションに関して、執筆時点(2023年7月末)では「信託型ストックオプション(※ストックオプションにおけるスキームの一つ)」の税務や会計の取り扱いについて議論が続いている。
課税方式のあり方をめぐって、国税庁や経済産業省と企業の間でも意見交換などが進んでいるところだ。
報道では「行使時の税負担が増える」といったネガティブなニュースを目にした機会もあるかもしれないが、現状ではストックオプションの付与や、キャピタルゲインを得ることについては安心してもらって構わない。
スタートアップ振興が国策でもあることから、むしろ従来より有利になる税制ルールの変更など、プラス面での見解も出されている。スタートアップ全体にとっても重要な観点のため、情報を継続的にキャッチアップすることをすすめたい。
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