もちろん、小規模なスタートアップであればCEOやCTOをはじめ、複数の職務を兼任しているケースはあるだろうが、やるべきことに大きな違いはない。
だから、キャリアのことを考える際に、あまり大企業とスタートアップを分けて考えすぎる必要はない。
会社の「機能」としての差はそれほどない一方で、あえて違いを挙げるとするならば、スタートアップは「より強い意志」と「挑戦心」を持っていることが前提となった仲間の集まりである、というのは大きいだろう。
もし、世の中に会社という存在がなくとも、社会課題を解決しようと思った誰かが、まずは一人で試みる。しかし、一人で取り組める課題には限度があるがゆえに、より早く、より大きな課題を解決したいと思ったら、もっと多くの仲間を集めるはずだ。そうして、あらゆるところに「生業」が成立していく。
他の大企業が、すでに社会課題の解決に奔走していたり、他のチームが手掛けていたりするならば、極端な話をしてしまうと、彼らにその解決を任せてしまう手もある。
まだ世の中にその社会課題を解決できる存在がないのであれば、やはり誰かがつくらなければいけない。これこそがスタートアップが生まれる価値の一つだといえる。
単なる中小企業とスタートアップの差
社会課題の解決と聞くと、社会への貢献性の高さが条件にあるように思われるかもしれないが、そうではない。
人間の欲望や欲求は様々であり、それらをストレートに表現する方法としてビジネスをつくり、対価を得ていくことを目指すことも起業につながる。
課題解決や目的達成に対して、挑む姿勢や成長する意欲にこそ「スタートアップ」は宿るのだ。成長し、世界へ影響力を持っていきたいという意志と戦略を持つか否かが、単なる中小企業とスタートアップの差を分ける。
スタートアップ企業群では、しばしばベンチャーキャピタルなどからの大型の資金調達がニュースになる。これは自社の稼ぎだけでなく、資金を外部から調達したほうがレバレッジをかけてより早く、より大きく組織を成長させられる可能性が高いという戦略にもとづくものだ。
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