8月下旬、イスラエルの高速道路を使って旅する機会を得た。
イスラエルは中東の一角、地中海に面した四国ほどの大きさの国で、人口はおよそ1000万人。テロや紛争のイメージが強いが、世界中に離散したユダヤ民族が第2次大戦後に建設した国家で、ハイテク・情報通信産業などを中心とした先進国である。
OECDの加盟国であり、1人当たりの名目GDP(2022年IMF統計)は、日本の約3万4400米ドル(世界31位)に比して、およそ5万5000ドル(世界14位)と大きく上回っている。
また、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の3大宗教の聖地エルサレムを有し、キリストゆかりの地も多く、世界一塩分の濃い湖で、なおかつ地球上でもっとも標高の低い土地でもある死海周辺のリゾートの充実も目覚ましいなど、第1級の観光立国でもある。
では、高速道路はというと、広いとは言えない国土の縦横に張り巡らされている。鉄道路線は一部の幹線と大都市近郊にしかなく、国全体として見れば交通の中心は自動車となる。
進む、新たな高速道路の建設
国土を南北に貫く高速道路は、「6号線」という道路番号が振られており、車線は片側3車線。最高速度は、大部分が時速120kmだ。
ノーベル平和賞の受賞歴もあり、暗殺されたことでも知られるかつての首相、イツハク・ラビン(1922~1995)の名を取って、「ラビン・ハイウェイ」という愛称がつけられている。
ちなみに、国の東西を結ぶ高速道路には奇数が、南北を結ぶ道路には偶数の数字が振られているのが特徴だ。
2023年3月から、成田空港とテルアビブにあるベン・グリオン国際空港を結ぶ直行便の運航が、イスラエルの航空会社であるエルアル航空により始まり、日本からイスラエルへの渡航は、格段に楽になった。
今回の旅では、まずテルアビブから海岸沿いの高速道路(2号)を北上したが、その途中でもジャンクションの工事が進み、新たな高速道路の建設が進んでいる様子が見て取れた。
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