北部にはハイファという大きな港町があるが、そこには向かわず、途中から内陸部へ向かう路線に入り、ナザレへと向かった。
ナザレは、イエスの母マリアが大天使ガブリエルから神の子の妊娠を告げられた「受胎告知」の地であり、その跡に建てられた「受胎告知教会」などの見どころがあり、世界中のキリスト教徒の巡礼地となっている。
通った高速道路は整備状況も良く、きわめて快適だったが、朝は郊外からテルアビブへ向かう通勤のクルマで渋滞が続いていた。
テルアビブは実質的な首都機能を持ち、就業地も多く、国全体で人口増加が続いているイスラエルでもその中心となっている街で、郊外へと住宅街が広がっており、その通勤の足を高速道路が担っているという印象を受けた。
イスラエルの東部、ヨルダンに接する地域は、デカン高原からガリラヤ湖、ヨルダン川、そして死海と観光地が目白押しだが、このエリアを南北に貫く道路はいわゆる「ハイウェイ」ではなく、カーブや坂道が多い一般道(60号線)である。
人口が希薄な地域を通ること、ヨルダン川に高地が迫る地形で一直線に高速道路が敷きにくいこと、そしてヨルダン川西岸地区はパレスチナ自治区となっていることなどが高速道路の整備が進んでいない理由であろう。
しかし、近年死海周辺は開発が進み、多くのリゾートホテルが林立するようになり、今回の旅でもこのルートに多くの観光客が押し寄せている様子が目にとまった。今後さらに自動車交通の増加が見込まれそうだ。
サービスエリアは日本に似ている
死海エリアから聖地エルサレムに向かう途中、ラビン・ハイウェイ、つまり高速6号線を利用した。幹線だけあって交通量は多く、大型のトレーラーや都市間高速バスもひっきりなしに行き交う。
なお、イスラエルの高速道路には料金所はなく、6号線の場合、クルマが走行すると自動的に走行区間が捕捉され、電子決済で口座から料金が引き落とされる仕組みになっている。
サービスエリアは、日本と同様に数十キロごとに設けられている。
ガソリンスタンドと売店、マクドナルドなどのファストフード店などが入っているのも似たところだ。
イスラエルの公用語はヘブライ語、次によく使われているのはアラビア語であるが、道路標識は、ヘブライ語、アラビア語、英語の順に明示されており、ヘブライ語やアラビア語が読めなくても、特に問題はない。
むしろ、荒いといわれる運転マナーのほうが問題で、高速道路では無理な追い越しなどはほとんど見なかったものの、一般道では車線を踏み越えてきたり、すぐにクラクションを大音量で鳴らしたりするところは、なかなか厄介である。
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