生成AIへの投資でしのぎを削るテック企業の思惑 最新テクノロジーで変わる2030年の世界を大予測

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その反面、ChatGPTは検索ツールとしても使えます。精度も比較的高い。そのため、グーグルの稼ぎ頭である検索サービスが使われなくなってしまうのではないかと、グーグルは危機感を覚え、株価も敏感に反応します。

同時に、検索領域における絶対王者のグーグルの牙城が崩れる。パラダイムシフトが起きるのではないか。このような思惑から、VCなどが積極的に生成AI関連のベンチャーに投資を行い、優秀な技術者が生成AIのベンチャーに転職するなどの動きが活発化しています。

世界でもAIへの投資は加速している

HAIの調査報告書(*1)によれば、AIへの投資は過去10年間で大幅に増加しており、2022年と2013年を比較すると、約18倍にもなるそうです。

特にアメリカは積極的で、中でも民間への投資が多く、その額474億ドル。医療・ヘルスケア分野が61億ドルでトップ、次いでデータ管理・処理・クラウドが59億ドル、フィンテックまわりが55億ドルと続きます。ちなみに投資額は、2位の中国の134億ドルの約3.5倍にもなります。

生成AIの基盤技術を開発したのはグーグルですから、黙っていません。BardというチャットAIを開発。当初は英語版のみの提供でしたが、毎年サンフランシスコで開催している開発者向けのイベントGoogle I/O 2023で、日本語も含め40以上の言語に対応させ、約180カ国に提供することが発表されました。

Transformerの開発に携わった研究者は複数名いることから、ChatGPTとBard以外の生成AIも多数あります。中でも私が注目しているのは、オープンAIの元メンバーが創業したアメリカの「Anthropic」です。同社は現在、グーグルと業務提携しています。

このようにビッグ・テックと呼ばれる企業、開発メンバーから派生したベンチャーなどが、生成AIの研究開発やサービスの提供に、しのぎを削っているのです。生成AIは旬でホットなテーマだと言えるでしょう。

Word・PowerPoint…すべてが自動化される未来

マイクロソフトの動きも活発です。同社は自社サービスへの実装、サービス提供をすでに発表しています。「Microsoft 365 Copilot」という機能は代表例です。

コパイロットは副操縦士という意味を持っており、同サービスはその名のとおり、AIがマイクロソフトの各種アプリケーション、WordやPowerPoint、Excel、Outlookに直接組み込まれ、各種アシスタントをしてくれます。

たとえばWordでは、文章や数値といったデータをAIに投げ、「これらのデータを元に、新しい企画を考えて」といった入力を行えば、そのままWord上に表示されます。

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