くわえて、亡くなった夫の私物が頭を悩ませた。趣味のレコードや草野球をするときにかぶっていた帽子が出てきたが、さすがにそれは捨てられなかった。よく聞くのは、「思い出まで捨てるわけではない」というセリフだ。ありがちな意見なだけに、それで悩みが解決するとは思えないが……。
「職場の送別会でもらったプレゼントなど、誰かにもらったモノを売ったり捨てたりするのって、その行為自体が後ろめたいんだと思うんです。子どもの工作とかは実用性はないですけど思い出の品なので捨てづらいですよね。そのときに、“思い出まで捨てるわけじゃない”という言葉を第三者が言ってあげることが大事かなと。それなら罪悪感が薄れると思うんです」
「友だちを呼ぶのが楽しみ」
娘から父の日にプレゼントされた鞄を使い続け、みすぼらしいほどにボロボロになってしまったとしよう。会社で使うことはもうできなさそうだが、捨てるのはなんだか気が引ける。だが、娘本人に「もうボロボロだから捨てていいよ」と言われたら、肩の荷が下りるはずだ。
「片付けってこんなに楽しいんや。心機一転、今日から引っ越してきたみたいな感じです。息子も喜びます。こんなん1人でやっていたら2カ月くらいかかる」
片付けを終えてだいぶスッキリした部屋を見て、依頼者の女性は子どものようにはしゃいでいた。自分の部屋がもらえた小学2年生の息子も、「友だちを呼ぶのが楽しみ」とスタッフに話していた。
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