夏休み明けに気づきたい「子どもの心」の揺れ動き 子どもの声なき声が読み取れる3つの典型表情
さて、冒頭で書いたように「訓練なしでも、子どもにちゃんと向き合い、子どもの顔を見さえすれば気づくことのできる」表情として、マニピュレーター、熟考、嫌悪を紹介しました。それぞれの表情の特徴と意味を理解することは大切ですが、何より大切なのは、この括弧の部分です。
国立青少年教育振興機構による「インターネット社会の親子関係に関する意識調査報告書-日本・米国・中国・韓国の比較-」によれば、「私が、親と話そうとするとき、親は『時間がない』、『いま忙しい』などと言う」の設問に対し、「よくある」「たまにある」と回答した小学生の割合は、44.1%。中学生の割合は、36.5%。
これらの数値から、お子さんに向き合う余裕がない、少なくない数の親御さんの様子がうかがえます。朝、バタバタして難しいようでしたら、夕食時やお風呂上がりのリラックス時、あるいは、休日など、心にゆとりがあるタイミングを利用し、お子さんとじっくり向き合ってみてはいかがでしょうか。
スマホを見ながら子どもと会話?
また、「親は携帯電話やスマートフォンを使用しながら私と話す」という設問に対し、「よくある」「たまにある」と回答した小学生の割合は、47.4%。中学生の割合は、47.5%。これらの数値から、少なくない数の親御さんが、会話中にお子さんの顔を見ていない可能性がうかがえます。
子どもの疑問に答えるために、スマートフォンで検索しながら会話をすることもあると思いますが、お子さんとの会話と全く関係ないことを検索しながらお子さんとの会話もする。これもまたよくあると思います。
「子どもの顔をちゃんと見て会話していなかったかも」と思われた方は、本稿で紹介した、マニピュレーター、熟考、嫌悪表情を意識してみてください。検索しても出てこない唯一無二の情報が、お子さんの表情の中にあるのですから。
工藤宣子, 清水建二. 表情分析に関する研修受講が学生の健康観察能力に与える影響の検討ー養護教諭志望学生の微表情検知テスト結果の分析からー. 学校保健研究 一般社団法人日本学校保健学会 第65回学術大会講演集. 2018. 60. Supp1. 113
工藤宣子. 養護教諭志望学生の健康観察スキル向上に関わるテキスト作成の試み. 千葉大学教育学部研究紀要. 2021. 69. 249-257
国立青少年教育振興機構青少年教育研究センター. インターネット社会の親子関係に関する意識調査報告書-日本・米国・中国・韓国の比較-. 国立青少年教育振興機構青少年教育研究センター. 2018.
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