慶應野球部の教えが「数学嫌い」にも役立つワケ 「フェア」と「楽しむ」姿勢を重視すると伸びる
慶應高校野球部のサイトに掲載の監督メッセ―ジ動画には、森林監督の考え方が凝縮されている。
とくに「生徒にどんな将来を歩んでほしいか?」の部分で、「これ(高校野球)をまたステップにして、どんどん活躍するぞという気持ちで出て行ってもらいたいと。そのための準備段階を高校の時にしてもらっていると思っているので、高校野球だけにしか通用しない常識とか高校野球の時だけ生きるような技術とか、そういうのはまったく伝えるつもりはなくて。野球を通じて高校野球を通じて、結局これは人生に役立ったなっていうような、考え方とか人間関係の作り方とか、そういったことを少しでも授けたいなというのは思っています」と語っている。
その後の人生に役立つ教え
数学の授業も人生にどのように役立つかを語るようにすると、生徒や学生の反応は劇的に変わる。「360°以上の三角関数があるから、心電図や音のような周期性のある波はcosやsinだけの和で表現できる」と述べたり、√2が無理数であることを証明するときに使う(結論を否定して矛盾を導く)背理法を説明するときには、「犯罪捜査のときに現れる『アリバイ』はその一例」と述べたりすると、授業を受けるときの態度は生き生きとしたものとなる。
最後に、森林監督は大学生の頃には慶應高校野球部の学生コーチをされていたように、教えることが本当に好きな監督さんである。筆者も、長いこと全国の小中高校で出前授業を続けてきたように、教えることが本当に好きである。それだけに、今回の優勝には涙があふれる思いである。
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