語彙力がないから、読書感想文で自分の感想を言語化しようとしても、うまくいかない。そんな悩みを親子でもったとき、大切にしてほしい考え方があります。
言語化において重要なのは語彙力ではなく「細分化力」
というのも私は以前、『推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない―自分の言葉でつくるオタク文章術』という本を書きました。そのなかで、「推し活」で自分の推しの魅力をプレゼンしたい時の言語化のコツについて解説したのです。
読書感想文でも、推し活でも、何かの感想やプレゼンを発信するときのコツ。私は、それが「細分化力」にあると思っています。
そう、読書感想文は、推しの魅力をプレゼンすることとほとんど同じだと捉えていいのです――自分の「推したい」本について語ること。それが読書感想文なのです。
読書感想文でも、推し活でも、たまに「語彙力がないから、言語化がうまくいかない」という声を聞きます。しかし実はそういう場合のほとんどにおいて、語彙力よりももっと重要なものがあります。
言語化において、重要な技術。それは語彙力ではなく、「細分化力」なのです。
たとえば、印象に残った台詞について、感想を言語化していくとしましょう。
「自分が何に感動したのか?」「どこを面白いと思ったのか?」「なんであの場面にモヤモヤしたのか?」「この違和感を覚えたのはなぜなのか?」
そう問いかけてみても、言葉が出てこないかもしれません。その時やるべきは、印象に残った台詞や場面を、まずは「具体的に」挙げていくことです。
おすすめしたいのは、印象に残った台詞や場面のページに付箋を貼っていくこと。私も普段は書評を書く際、本のページの端を折ったり、付箋を貼ったりして、どこが印象に残ったのか「具体的に」覚えておけるようにしています。とりあえず1箇所でもいいので、印象に残った箇所に付箋を貼ってもらいましょう。
そして付箋を貼ったあと、とくに印象に残った場面や台詞やキャラクターがどういうものだったのか、本人に具体的に説明してもらいます。
ここで重要なのは、たとえば「●●というキャラクターが可愛かった」だけではなく「●●というキャラクターが可愛かった。どういうところが可愛かったかというと……」と細かく具体的に挙げてもらうことです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら