「年会費1000円アップ」Amazonは安いと言えるか インフレ率や物流のコスト増を考慮すると…

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ここで把握しておきたい点として次をあげたい。

・Amazonはグローバルのイメージがあるが大半は北米事業によって成立している

・広告収入が伸びているのを見たが、トータルでは営業損失になっている(広告収入がなかったらどうなるか考えてみればいい)

・グローバル事業も同じく営業損失

・AWSの営業利益を全体に補填している

・Amazonプライムの値上げ

Amazon決算資料
出所:Amazon決算資料

このうえでの、先日に発表されたAmazonプライムの値上げを見ていきたい。

前提を理解したうえで、プライム会員値上げを見ると…

アマゾンジャパンは同サービスを値上げすると発表した。新規会員の場合は8月24日からで、年額4900円が5900円に。年会費が改定前と比べて1000円アップとなる。月度払いの場合は500円が600円と100円のアップだ。既存会員は来月からの適用となる。

4年ぶりの値上げだ。とはいえ、年間費を月度に換算すると80円のみ、といえなくはない。それでも安いと見るか、高いと見るか。各メディアもこぞって取り上げ、賛否両論が相次いだ。ただ、著者の感覚では同情的な声が多かったように思う。

4900円が4年で5900円だから、厳密な計算ではないものの年率で4.75%だ(4900×1.0475×1.0475×1.0475×1.0475≒5900)。海外のインフレ率に比べると、さほどではない。

実際にアメリカでの同年会費は139ドル≒19460円だし、イギリスでは95ポンド≒17440円なので、まだまだ日本の価格は相当に低い水準にある。

よくアメリカは国土が広いので物流費がかさむためプライム会員費も膨らむ、という人がいる。しかし、イギリスも日本よりはるかに高水準だ。

むしろ、日本の物流業者の細やかさを考えると、もっと高い金額が妥当なのかもしれない。というのは、Amazonプライム会員でよく買い物をする人であれば、この5900円は年間の物流費相当分より安くなるケースも多いと想像できるからだ。

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