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人手不足のブラック職場「官僚と教師」の共通点 「できないことはできない」と業務を手放すべき

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  • 土居 丈朗 慶應義塾大学 経済学部教授
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公立学校の教員も、新たな業務が増える一方、必要性が下がった業務をやめられない。

官僚も公立学校の教員も、公務員であるという共通点も、ここでは災いしている。つまり、税金で給料をもらっている点だ。

国民からすれば、税金を払っているのだから、求められた仕事はきちんとこなせ、と言いがちである。だから、必要性が下がった業務をやめようと発案しても、国民が1人でも影響を受けるとなると、その業務をやめにくくなってしまう。

しかし、官僚も公立学校の教員も人の子である。1日24時間しか与えられていないのは、官民ともに同じである。携われる業務には限りがある。

「公僕だからやって当然」の意識を変える

官僚も公立学校の教員も、必要性が下がった業務をやめたくないからやめないということもあるだろうが、やめたいのにやめられないというものも結構多い。ならば、公務員という立場ではあるけれども、「できないことはできない」ともっと正直に、国民に言うべきではないか。

それは、相手が地域住民や保護者であっても、国会議員であっても、である。

度を超えた業務量になるから「できないことはできない」ときっぱりと言えれば、官僚や公立学校の教員の多忙化は緩和できる。もちろん、できない理由を関係者が納得できるよう説明する責任はある。

国民の側も、官僚や公立学校の教員は、「公僕」なのだから「要求したことをして当然」という発想を変える必要が出てこよう。そうした国民の協力があってこそ、官僚や公立学校の教員が職掌を全うし、国民のために貢献してくれる。

目下、官民ともに人手不足であるから、国家公務員や教員のなり手不足を容易には解消できないかもしれない。当然ながら、国家公務員や教員のなり手不足だけが解消しても、わが国全体の問題を解決したことにはならない。

しかし、国家公務員や教員のなり手が不足し続ければ、国民生活にも重要な支障をきたすだけに、早急に対策を講じてゆくことが求められる。まずは、「できない業務はできない」と見極め、業務の抱え込みすぎを解消してゆくことから始めるべきである。

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