「体力的に厳しい」「自分以外に介護を担う家族がいなかった」というのは、本来であれば、ヘルパーに介護をお願いすれば解決してしまいます。
「介護休業を取りやすくする」「有給休暇を取りやすくする」「残業が少ない」という条件もまた、介護のプロに介護を丸投げできているなら、本質的には必要のないことです。
要するに、介護で離職をしてしまう人は、介護サービスに関する基本的な知識が不足していることが明らかなのです。
弊社の独自データ(サンプルサイズ3万7740人)によれば、実に、86.6%もの人が、具体的な仕事と介護の両立知識を持っていないことが明らかになっています。何度もお伝えしますが、ビジネスケアラーに本当に必要なのは、介護を外部にアウトソースするための介護サービスに関する具体的な知識です。
どのような介護サービスが、いつ、いくらで利用できるのかを知らないと、「体力的に厳しい」「自分以外に介護を担う家族がいなかった」といった理由で、仕事を辞めてしまうのです。
これは、託児所や学童保育の存在を知らないまま育児を理由として離職をしてしまうようなものです。あまりにも残念なことではないでしょうか。
知識不足で会社を休むなんて大損だ
「介護で仕事を辞める」という、自分自身が生活保護の受給者になってしまうかもしれないような決断は、可能な限り回避すべきことです。そのための努力には、当然、介護に詳しい人の意見を聞くということがあってしかるべきでしょう。
しかし、介護離職をしてしまう人は、そうした行動を取っていないのです。これは、大きな問題でしょう。
先の毎日新聞による報道は、介護離職をしてしまった人の「介護の素人ならではの意見」として意味のあるものです。
しかし、本当に残念なことですが、これらの問題は、すでに存在する、世界最高とも言われる日本の介護保険制度の介護サービスを正しく活用すれば、解決してしまう問題に過ぎません。
本当の問題は、そんな介護サービスが知られていないことです。
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