「スタンプ締め」にモヤッとする上司と若者の溝 長文の「ビジネスメール」はもう古いのか?

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ビジネスチャットなど、ショートメッセージを使ったやり取りのほうが、会話が弾むことはわかった。

だが当然、このコミュニケーションに慣れていることが前提であろう。ベテランがチャットなどを使いたがらないのは、単に慣れていないからだ。

職位が高いと、別のハードルがある。

形式的な挨拶や、ヨイショやおべんちゃら、ゴマすりを含む世間話はすべてカットされる。

いくら敬語を使おうが、若者からのフラットなコミュニケーションには戸惑いを感じるはずだ。

「スタンプ締め」は関係ができてから

とくに「スタンプ締め」には、気を付けたい。例えばLINEで次のようなやり取りをした場合、以下のようにスタンプで会話を終わらせるのを「スタンプ締め」と呼ぶそうだ。

「頼んだ資料はどうした?」

「作成して机におきました」

「ありがとう。確認して電話する」

「了解です(スタンプ)」

このような「スタンプ締め」で使えるのは「了解です」のほかにも、

「承知しました」

「問題ありません」

「ありがとうございます」

「失礼しました」

「大丈夫です」

など、いくつかのバリエーションがある。くだけた表現ではないが、

「若い子からスタンプを送られると、強い違和感を覚える」

というベテラン勢は多い。口にはしないが、

「友だちじゃない」

「小ばかにされた感じがする」

「なめられている」

と感じるからだろう。

このような「スタンプ締め」は、アリかナシか? しばしば議論の対象となる。とくに営業の世界では、そうだ。

これまでSNS上でも、何度かアンケートや調査がされていて目にしてきたが、現時点での結論はこのようだ。

ビジネスチャットやショートメッセージでのやり取りは、上司や部下との関係だけでなく、お客様とのやり取りでも以下の通り。

メッセージのやり取りは、関係ができていればOK。スタンプの使用は、関係ができていてもNGとのことだ。

もちろん、例外はある。どんなに関係ができていても、相手が嫌がれば使うべきではない。ビジネスチャットなどは、まだビジネスメールほど市民権を得ていない。

スタンプも、相手が「スタンプ使っていいよ」と言ってくればOKだ。

いずれにしても、まずは関係構築が先決だ。効率的なコミュニケーション手段を利用するのはいいが、言葉遣いに気を付けること。絵文字やスタンプは使わないほうがリスクを避けられる、と考えたほうがいい。

横山 信弘 経営コラムニスト

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よこやま のぶひろ / Nobuhiro Yokoyama

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。『絶対達成マインドのつくり方』『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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