「スタンプ締め」にモヤッとする上司と若者の溝 長文の「ビジネスメール」はもう古いのか?
もっと相手に話をさせたいなら、リズムを意識して話す量を減らそう。サクッと質問して、サクッと答えてもらうのだ。
「先日の会議で、部長から営業支援システムの説明があったよね?」
「あ、はい。ありました」
「導入の目的は理解できた?」
「ええっと……。はい。営業の生産性アップだったと思います」
「そうそう、そうなんだよね」
「部長、すごく熱く語ってましたね」
「何年も前から、あのシステムを導入したがってたからね」
「そうなんですか」
「あのシステム、使ってみた?」
「はい。少しだけ使いました」
「わからないこととか、使い勝手が悪いこととか、ある?」
「あ、実は、必須項目が多いですよね……。それが、ちょっと」
このように、短い言葉で質問を繰り返せばいい。柔らかいトーンでリアクションをし続ければ、あまり話をしない人も、リズムに乗ってドンドン話してくれるようになる。
しかし、話し手が【3】とか【4】しか話さないのなら、相手も同じぐらいの分量の話をするようになっていく。なぜなら、リズムに乗せられていくからだ。
【3】→【2】→【4】→【3】→【3】→【3】→【4】→【3】→【2】→【4】→【3】→【3】→【3】→【3】→【2】……
まさに会話が「弾む」とは、このことなのである。
なぜチャットのほうが会話が弾むのか?
テキストベースのコミュニケーションもそうだ。ビジネスメールよりもビジネスチャットを使ったほうが「会話が弾む」。
メールだと、読んだ後、すぐ返事したいという気にならないときがある。なぜなら、ビジネスメールのスタイル上、どうしても書く文章が長くなるからだ。
「もう少し、時間があるときに返信しよう」
こう思ってしまいがちだ。
とくにビジネスチャットに慣れてしまうと、その思いが強くなる。チャットなら、スマホでも入力できるテキスト量でいいのだから、メッセージを確認した瞬間に返信しやすい。
サクッと見て、サクッと返す。この「サクサク感」を味わえるのだ。
それに、熱量という要素も味方につけられる。
メッセージを送った側は、しばらく熱がある。そんなときに、すぐ返事がもどってきたら、送り主の熱量はさらにアップし、またすぐにメッセージを送ることになるだろう。すると、向こうもまた気分が乗っているときに返信したくなる。
チャット上で熱のこもった会話ができるのも、こういった「サクサク感」のおかげだ。
映画鑑賞、音楽鑑賞なら賛否両論もあるだろう。しかし「タイパ」「効率」を考えたら、短く、必要なものだけに絞ったコミュニケーションのほうが効果が高い。効率だけではないのだ。
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