「スタンプ締め」にモヤッとする上司と若者の溝 長文の「ビジネスメール」はもう古いのか?

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ビジネスメールは、件名が大事だ。件名次第で、メールの開封率が低くなる可能性がある。

いっぽうビジネスチャットに、その心配はない。いきなり要件が目に飛び込んでくるので、理解がはやい。名乗りも挨拶文も不要だし、邪魔なだけだ。

誰からのチャットかは、アイコンを見れば一発でわかるし、誰へのチャットかも、メンションすれば問題はない。

イチイチ、

営業部長 山田太郎様
(CC:課長 木村一郎様)
営業1課の横山です。お疲れ様です。

と記す必要がない。これだけでも、ずいぶんと時間効率は高くなる。

コミュニケーションで重要なのは「リズム」!

誰もが感じたことがあるだろう。ビジネスメールとビジネスチャットと比べると、圧倒的にチャットの返信率のほうが高くなることを。

なぜそうなるのか? 

理由は「リズム」の違いである。

リアルコミュニケーションでも、そうだ。長く話せば話すほど、相手の話は短くなる。反応も悪くなる。聞き入ってしまう時間が長くなるので、「お喋り」の人でない限り、どうしても受け身の姿勢になってしまう。

たとえば、1on1ミーティングで上司から、このように尋ねられたらどうだろう?(長いが最後まで読んでもらいたい)

「先日の会議でさ、部長が営業支援システムのことを説明していたけれど、あれは本当に大事なんだよね。あのシステムが導入されることで、営業の生産性が格段に上がると思うし、そうならなくちゃいけないと思うわけ。そこで、君はまだ入社1年目で、よくわからないかもしれないけど、あのシステムに関して意見があったら言ってほしいんだ。どんなことだっていいんだよ。わからないことも多いと思うけど、わからないなら、わからないなりに質問できるのが新入社員の特権だからね。それで、どうかな?」

こんなふうに長々と話されたら、

「ど……、どう? とは、何が、どう? なんですか?」

となってしまう。話が長すぎて、質問の要点を見失ってしまうのだ。

「おいおい、話を聞いていたのか。だから営業支援システムが導入されただろ。この前、山田部長が情熱的に語っていたじゃないか。多額の費用をかけて当社に導入されたんだから、何としても成功させなくちゃいけないんだよ。それを聞いてるんだ?」

「え……。それを聞いてるって……。ええと、私は、いいと思います。生産性がアップするなら」

話が長いと、どこで話が終わるかわからないから、こんな受け答えになるのだ。

話の分量を数字でたとえて考えてみよう。【50】話してから、相手も【50】話し、また【50】話したら、相手も【50】話す……なんてことは、稀だ。

普通は【50】も話してしまうと、相手は【1】とか【2】しか返さない。

だから、

【50】→【2】→【50】→【2】→【50】→【1】→【50】……

となる。

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