今後ChatGPTに淘汰されそうな「仕事」と「会社」 グーグルに巻き返しはかるマイクロソフト

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では、今年はこのエリアはどうでしょう?」というように、過去のデータや個人の嗜好も踏まえた、よりユーザーにフィットする回答が返ってくる未来も十分にあり得ます。AIが自分専属のコンシェルジュになってくれる。そう考えるとわかりやすいかもしれません。

そうなったときに、検索とそれに連動する広告というビジネスモデルで地位を築いてきたグーグルは、どこで価値を出せばいいのか? グーグルが今急ピッチで模索しているのは、まさにその方向性でしょう。

グーグルに負け続けてきたマイクロソフトの巻き返し

ChatGPTの爆発的普及を受けて、グーグルはBardの発表を急ぎました。しかし、マイクロソフトがBingにGPT-4を搭載したことで、検索エンジンと生成AIとの融合では、グーグルはマイクロソフトに先を越された形です。

2023年3月には、さらに、オープンAIの画像生成AI、DALL・E(ダリ)の先進モデルもBingに搭載されました。

グーグルも、2023年5月10日、Google I/Oという年次総会で、検索エンジンに生成AIを組み込むことを発表しましたが、このマイクロソフトの動きを見て、対話型も含めた検索エンジンの領域において、マイクロソフトがグーグルに急速に追い付く可能性があるとの見方も出てきています。

GPT‒4を使ったBingのチャット機能では、公開直後のChatGPT自体とは違い、回答に出典へのリンクが貼られています。まさに、従来の検索と対話型AIが組み合わさった形です。2023年3月からは広告も実験的に表示する取り組みを発表しています。

グーグルが自社の検索エンジンとBardを組み合わせて、どのようなサービスを作るのか。そして、マイクロソフトのBingを引き離せるのか。それは、今後の動向を見なければわかりません。ただ、マイクロソフトが、これまでの遅れを取り戻すかのように、怒濤の攻勢をかけているのは確かです。

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