今後ChatGPTに淘汰されそうな「仕事」と「会社」 グーグルに巻き返しはかるマイクロソフト

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では、実際のところ、「アフターChatGPT」のビジネスはどう変わるのか。どんなビジネスがどのように残り、どんな仕事が淘汰されていくのか。生成AIがビジネスや個々人の働き方にもたらす影響について考えていきましょう。

グーグルの検索事業の広告モデルは生き残れるか?

グーグルは、検索エンジンにおいて四半世紀ほど、ほぼ一強時代を築いてきました。しかし、生成AIの性能が向上し、普及が進むことによって、従来のグーグルのビジネスモデルが成り立たなくなる可能性もないわけではありません。

写真フィルムの大手だったコダックが、新しく出てきたスマートフォンという、当初は性能が限定的だったものに、予想外に、もしくは、わかっていても有効な対抗策を立てられず、敗れました。同じようなことが、将来繰り返されることがあり得るのです。

今は、何かについて調べようと思ったとき、多くの人は、まず検索をかけます。思ったような情報がすぐに出てこないときには、検索のキーワードを増やす、変える、組み合わせるなどして、知りたいことにより近い情報を探し出します。そうしてヒットした大量の情報を人間が見て取捨選択し、判断をしていました。その過程でユーザーが目にし、クリックする広告が、グーグルの主な収益源です。

しかし、生成AIに質問をすれば、そんな面倒な検索をしなくても、欲しい情報が得られる可能性があります。ユーザーが検索をしなくなると、検索ワードに合わせて広告を表示し、ユーザーを広告主のサービスに誘導するというビジネスモデルが成り立たなくなるかもしれません。

これまでも、例えば買い物のために、検索するのではなく、直接アマゾンのアプリを開かれてしまっては、広告を表示する機会を失っていました。こうした脅威は、たびたび話題にはなっていました。

この先、対話型AIをユーザー個人ごとに合わせてカスタマイズできるようになれば、答えの精度や的確さがさらに向上していくでしょう。その人の年齢や居住エリア、属性、嗜好などのパーソナルな情報をどんどんインプットしていけば、「昨年の夏季休暇ではこのエリアに旅行をしましたね。

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