若者はあえて「ブラック企業」で働いてみるべき訳 「ビッグモーター」の不祥事を「資本論」で考える

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繰り返される企業不祥事が、必然的な現象である理由とは(写真:SASA/PIXTA)

ビッグモーターの不祥事が世間を騒がせています。兼重宏行前社長が「ゴルフを愛する人に対する冒涜」云々と発言したというので、クルマ屋だけにてっきりフォルクスワーゲン・ゴルフがどうかしたのかと思いきや、ゴルフボールで顧客の車を故意に傷つけていたというのですから、想像の斜め上を行く話でした。

保険金の不正請求に加え、除草剤を用いた店舗前街路樹の破壊の疑惑も濃厚になってきています。ワンマン社長の支配の下、社員は無理なノルマを強要され、違法な命令も受けていたと見られますから、ビッグモーターは典型的なブラック企業であると言えるでしょう。

いまさら驚く話なのか

しかしまあ、こうした話に私たちはいまさら驚くでしょうか? SDGsだのダイバーシティだの、この世の中を倫理的に向上させようという掛け声が四六時中鳴り響いている一方で、企業の不祥事は後を絶ちません。

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「チャレンジ」と称した粉飾決算によりボロボロになった東芝は、部門の切り売りを繰り返すなかで再建の目途は立っておらず、かつ粉飾決算を引き起こした旧経営陣のうち、逮捕された者は誰もいません。あるいは、創業者の性加害問題に揺れるジャニーズ事務所にしても、組織ぐるみでジャニー喜多川氏の乱行を許容・助長してきたことは明らかであるにもかかわらず、所属タレントは何事もなかったかのごとくに仕事を続けています。そして、津波対策を怠って大量の放射能をブチ撒いたにもかかわらず、旧経営陣の誰もいまのところ有罪宣告されてない東京電力こそ、企業不祥事番付の横綱です。ビジネス倫理だのコンプライアンスだのといった言葉は、ただひたすら空しいとしか言いようがありません。

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