絶景!島ゴルフが推しの五島が悩むアクセス問題 「異例の予算」でゴルフに力を入れる背景事情

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全国の自治体のどこもそうだが、五島もコロナ禍で観光が打撃を受けてきた。現在、全国的には外国人観光客の受け入れも始まって徐々に回復してきている。各自治体で観光客誘致にアイデアを絞っているが、五島市はそれをゴルフと釣りにスポットを当てた。

五島市では、コロナ前は年間25万人ほどの観光客が訪れていたが、コロナ禍で11万人台に落ちた。昨年は16万6979人まで回復。「まずは(コロナ前の)25万人を目標にしたい」(松野尾氏)。

ただ、外国人観光客、インバウンド需要は少なく、昨年も延べ宿泊客は1000人に満たない。「世界遺産もあるので、インバウンドも期待していますが、予算も限られているので、どこにどうPRしていいのかがはっきりしないのです」(松野尾氏)と言う。

アクセス面で劣る五島

島というと、沖縄のゴルフ場は台湾や中国、東南アジアなどのゴルフ客を取り込んできている。国境の島なので、中国、韓国などは近いが、船を含めて直行便がないのでアクセス面では沖縄のようにはいかないだろう。

五島への船便や航空便が出ている長崎や福岡までは、日本人観光客も外国人観光客も多く来ており、それを呼び込みたいところだ。

今の外国人観光客を見ると、以前なら観光地とはいえなかったようなところや、日本人でも知らないようなところでも、SNSなどで評判が広まってにぎわう、という事も多い。景色のいい五島CCや映えスポットもあるので、SNSの利用も効果がありそうだ。

多くのホールからは海が見えてロケーションもいい(写真:五島市提供)

五島列島の福江島にゴルフ場があることを知っている方はそう多くはないと思われる。このゴルフ場、先述したが1971年に9ホールで開場した歴史あるコース。五島市三井楽出身のプロ野球ヤクルトの名物オーナーだった故松園尚巳氏との縁で、1960~1970年代に活躍し、1970年にはマスターズで12位という当時の日本人最高成績を挙げるなどした河野高明プロが、1990年に残り9ホールを監修、開場。

多くのホールからは海が見えてロケーションもいい本格コースだという。筆者も含めて、回ってみたいと思う人もいるのでは。

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