絶景!島ゴルフが推しの五島が悩むアクセス問題 「異例の予算」でゴルフに力を入れる背景事情

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ちなみに五島CCのプレー料金は、大手予約サイトによると平日1万円前後、土日祝日1万5000円前後で、ジュニアも2000円かからずにプレー出来る。レンタルクラブやレンタルシューズもあり、福江空港、福江港からの無料送迎も行っている。

ゴルフと釣りの親和性は高い?

ゴルフをする人の中には釣りも好きという人も多いのではないだろうか。

プロゴルファーにも、趣味は釣りというプロもいる。男子ツアーの選手を紹介するオフィシャルガイドを見ると、ツアーを主管する日本ゴルフツアー機構の青木功会長や中嶋常幸プロ、片山晋呉プロといった永久シード選手をはじめ多くの選手が趣味欄に「釣り」と記しているように、ゴルフと釣りは親和性がある。

釣りの聖地といわれている五島列島(写真:五島市提供)

ゴルフと釣りをセットで、またはゴルフに来た人に釣りを勧め、釣りに来た人をゴルフにも誘い込むというのは、確かに観光客側が滞在を延ばす「理由づけ」になりえる。

また、五島市には高浜海水浴場など白砂の海水浴場もあるので、補助金などを活用できるようであれば、学生の夏のゴルフ合宿などの需要もあるかもしれない。釣り部というのがあるかどうかわからないが、たとえば釣り合宿に来た学生たちをゴルフに誘い込めば、新たなゴルファーが誕生するかもしれない。

白砂の高浜海水浴場(写真:五島市提供)

「五島は釣りの聖地として認知されてきていますが、今後はゴルフでもそうなってくれたら」と松野尾氏はいう。

多くの自治体が、コロナ後の観光需要を取り込もうとしている。市内に1つだけあるゴルフ場に白羽の矢を立てた五島市の取り組み。今後の推移によっては、ゴルフ場が「観光資源」になりうることを示してくれる機会になるかもしれない。

赤坂 厚 スポーツライター

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あかさか あつし / Atsushi Akasaka

1982年日刊スポーツ新聞社に入社し、同年からゴルフを担当。AON全盛期、岡本綾子のアメリカ女子ツアーなどを取材。カルガリー冬季五輪、プロ野球巨人、バルセロナ五輪、大相撲などを担当後、社会部でオウム事件などを取材。文化社会部、スポーツ部、東北支社でデスク、2012年に同新聞社を退社。著書に『ゴルフが消える日 至高のスポーツは「贅沢」「接待」から脱却できるか』(中央公論新社)。

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