一時期、アパホテルに対して繁忙期の価格が高すぎるという不満がSNS上で炎上し、2017年に日経ビジネスが実施したホテル満足度調査では35社中最下位だった。
顧客満足度を向上させるために
しかし、日経ビジネスからのインタビュー**に対してアパグループの元谷外志雄代表の対応には、価格支配力への強い意思と戦略性を感じる。
価格設定が不十分で、高く売れる日に安く売っていれば評価は上がる。
裏を返せば評価が低いということはそれだけ、うちは価格設定がうまいと言えなくもない。
だから非常に高い評価を維持しているホテルは、本来高く売れるのを安く売っているから評価が高いとも言える。
……儲からないホテルはいいホテルと言えないと思います。
赤字で破綻するようなことがあれば、社会に対しても従業員にも迷惑をかけます。
……いずれにしてもうちとしても利用者の評価を上げていこうと今、努力中です。
**『アパホテル、繁忙期の料金高騰に不満相次ぐ 元谷外志雄代表・芙美子社長が夫婦で語る料金の秘密』日経ビジネス/2017年11月6日
実際、顧客満足度を向上させるために価格の上限にキャップをかぶせて表示価格/正規料金の1.8倍とし、ポイントバック制度を活用して設備リニューアルを積極的に導入している。
また、各ホテルの支配人の評価基準をRevPAR/Revenue Per Available Room:販売可能な客室1室あたりの収益を稼働率×単価であらわす値としているため、稼働率が他社と比べて高い。
ダイナミック・プライシングの導入には顧客へのていねいな説明をするコミュニケーション能力が問われるのだが、同社はそれをやってのけているといえるだろう。
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