インフレ、増税、円安、リセッションがニュースで報じられる昨今、「価格と利益」について、誰もが一度は考えたことがあるのではないでしょうか。最近、最も世間を騒がせた話題は「卵」の高騰でした。
『価格支配力とマーケティング』の著者、菅野誠二氏は「自由に価格が設定できて、しかもお客さんが喜んで買ってくれるような、ハッピーな値付けが実現できたら夢のようではないか」と話します。
この記事ではテスラ、ラグジュアリーハイブランド、ディズニーランドの例から、巧みなマーケティング・イノベーションによって「価格支配力」を駆使した値付けの背景にある強さの秘密を紹介します。
時価総額の差がなぜ生まれる?
■テスラはイノベーション複合型「ビジネスモデル・イノベーション」の塊
2023年3月17日、本稿の執筆時点でのテスラの時価総額は9012億ドルで世界一。2位のトヨタが2370億ドルなので3.8倍。日経新聞2021年11月16日版によれば、トヨタの1台あたりの販売利益は平均25万円、一方でテスラは73万円だそうだ。
時価総額の差は、この稼ぐ力と成長期待によるところが大きい。
テスラは、マーケティング・イノベーション(プロダクト、コマーシャル、ビジネスモデル)に加えてプロセス・イノベーションとサプライチェーン・イノベーションが際立っていることがよくわかる。
それぞれに見ていこう。
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