「生成AI」今から活用したい人が知るべき驚く盲点 自分の考えを文章で書く「超アナログ能力」が必要

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栗原:僕も先日印象的な話を目にしました。ツイッターで、プロンプトエンジニアリング(注:言語生成AIを効率的に使用するためのプロンプトを開発する)をしているエンジニアが、「必要なのは、テクニカルな能力ではなくて、いかにして自分が伝えたいことを文章としてきれいに的確に書けるかだ」といったことを言っていたのです。

昔ながらの「状況を察知して、書く」能力が必要だと、若い人が言うわけです。これはなかなか示唆的だなと思いました。

山本:もしかすると若い世代で分断が広がっていくかもしれませんね。若い人のなかにはグーグル検索も使わない人たちがいる。彼らは、知りたいことがあってもツイッター、TikTok、インスタグラムなどで、ハッシュタグを使って検索するわけです。

要するに、グーグルの検索すら得意ではない人たちが出てきている。そこにきて、より高度な検索技術が必要な対話型AIが登場すると、そうした人たちは「自分たちとは関係ない技術だ」となっていく可能性があります。

文章が書ける人、自分の考えていることを文章として表現できる人はAIをうまく使いこなしていく。一方でそうでない人は1日中、ショート動画を見続け、アテンション・エコノミーにどっぷり浸かってしまう。そんな分断のある世界が生じうるということでしょうか。

AIを使いこなせない人々の思考力は低下する

栗原:そうですね。そして、生成AIが出てくるタイミングでよくいわれる負の面が、「思考力が低下する」ということです。僕としても、AIを使いこなせない側・AIに使われる側の人々の思考力は低下するとは思います。

ただ、その原因を100%生成AIのせいにしてはいけないと思うのです。それ以前に、インターネットが登場し、皆が当たり前のようにSNSを利用する状況がそもそも思考力の低下の主たる原因です。そしてSNSの台頭がアテンション・エコノミーを顕著にしたわけです。

その延長線上に対話型AIが出てきたら、さらに人は考えなくなってしまう。だからその意味においては、生成AIが今の状況をさらにひどくする効果というのは、やはり一面としては持っているわけですよね。

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