読書感想文を書くとき、実際に原稿用紙へ向かう前から、準備は始まっています。そう、課題図書を読むときに、ある準備をする必要があるのです。
それは、「自分にとって印象に残った場面や台詞やキャラクター」について、メモをしたり、付箋をつけたりしておくこと。たとえば、『凍りのくじら』であれば……
・理帆子のキャラクター。
・印象的だった文章。
「笑顔やハート、絵文字の多用された文面。ディスプレイに触れると微かに温かい。頭が足りなくて、無駄な暇潰しのために寂しいから集まって、そして友達ごっこ。私が彼女らに持っている感想は確かにこの上なく正しい。けれど私は今夜も出かけていく。一人きりでいると息が詰まるし、みんなで騒いでいても息が詰まる。私の『少し・不在』は、最近いよいよ深刻だ」(辻村深月『凍りのくじら』講談社文庫より引用/改行は便宜上、カット)
・理帆子の彼氏である若尾が、ゼミ試験に落ちたところの描写。
このように、自分が好きな場面や台詞やキャラクター、あるいは逆に気になった、違和感があった場面や台詞やキャラクターを具体的にメモするのです。
ポイントは、とにかく「具体的に」メモすること。なぜなら、「この本は、全体的にすごく面白かった」という全体に対する印象だけでは、オリジナルの感想にはならないからです。
本を読んだ後は、「全部面白かった」あるいは「全部つまらなかった」などの全体に対する感想を持ちがちです。でも、全体に対する印象は、誰でも書ける。面白かったかつまらなかったかだけで終わると、あなただけの感想にはなりません。
せっかく読書感想文を書くならば、あなたにしか書けない感想を書いたほうがいい。というか、そのほうが、原稿用紙も埋まります。だとすれば、とにかく「具体的に」自分にとって印象に残った箇所や、好きな場面について、語ってみてください。
ひとつだけの台詞や場面だと、文字数が足りない場合があるので、できるだけ細かく、たくさん、挙げるのがコツです。
「なぜそう感じたのか」は、自分の体験を交えながら!
さあ、メモが無事できあがり、本を最後まで読み終わったら。いよいよ原稿用紙に向かって、読書感想文を書く番です。
読書感想文においては、メモで挙げた箇所に関して、自分はどう感じたのか? なぜ自分はそう感じたのか? を書いていきましょう。ポイントは、「なぜそう感じたのか」は、自分の体験を交えると、書きやすい! ということです。
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