前回は「自分で本を選ぶことのできる」パターンの読書感想文の書き方について解説しました。つまり課題図書などが決まっていない場合の、読書感想文ですね。
その場合、自分で選ぶ本は、できるだけ自分から遠い題材のものにするといい。そして自分の体験まで含めて書くといい。……それが前回伝えた「読書感想文の書き方」でした。
課題図書が設定されている読書感想文の書き方
では、課題図書が決まっている場合、どのような書き方をすればいいのでしょうか?
「この本を読んで感想文を書かなくてはいけない」という、すでに課題図書が設定されている読書感想文の書き方を、今回はお伝えします。たとえば、学校に指定された課題図書が、辻村深月さんの小説『凍りのくじら』だったとしましょう。
主人公は高校生の理帆子。彼女は地方の進学校に通っているが、その教室の人間関係を冷めた目で見つめている。そして放課後には、他の学校の子たちと夜遊びをする日々。何にも必死になれない理帆子にとって、唯一好きなものは、藤子・F・不二雄の描いた世界だった。それはいなくなった父親と理帆子を繋ぐ作品なのだ。そして理帆子は、ある日、図書室で不思議な青年と出会う——。
これが簡単な『凍りのくじら』冒頭のあらすじです。
それでは、本書についての読書感想文を書こうとするとき。まず、何から始めたらいいでしょうか?
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