校則の"バイト・スマホ禁止"が時代錯誤な理由 無意味なルールが可能性の芽を摘んでいる

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スマホを使う高校生
学校でのスマホ利用には賛否両論があるが……(写真:zak/PIXTA)
良くも悪くも学校は社会の縮図。最近、世の中がウソくさく感じる原因は学校教育に あるのではないか? そう考える藤原和博氏の著書『学校がウソくさい』から、教育現場の理不尽を徹底的に問う校則としてアルバイトやスマホ利用禁止を強いることへの弊害を紹介し、新しい学校の在り方を考える。

可能性を摘むアルバイト禁止

高校で「アルバイト禁止」を校則にする意味が、わからない。

中学までは義務教育だから、新聞配達などを除いて、なるべく勉学に集中できるようにしようというのは理解できる。でも、15歳からは就職することができ、家計を親世帯と別にすることも可能だ。民法上は大人と同じ扱いになり、姓を改めたり、養子に入ったり、臓器提供の意思表示をすることもできる。

半分大人だと認めている高校生に対して、アルバイトで稼ぐことを禁止する理由はないだろう。千葉県と山梨県の教員との懇談でも、「なんで、いけないんですか?」と聞いたら、「勉強が主ですから」という返答しかなかった。

勉強が主だというなら、こう言いたい。その勉強を学校に限るのは時代遅れだと。

学校の授業から学べるコンテンツは、現役高校生にとっても一部に過ぎない。

YouTubeやスタディサプリで勉強している生徒や、興味の対象がすでに絞り込まれ、スポーツ、音楽、芸術分野で高みを目指して努力している生徒にとっては、学校の先生から学ぶ割合は1割か、それ以下に過ぎないかもしれないのだ。

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